■「有害」規制法案・条例の状況

 

奈良県青少年の健全育成に関する条例


<H14-1>

 奈良県は青少年条例を改定し、「有害図書類」として指定できる対象にCD-ROMやDVDを加えること、プロバイダなどに自主規制を求めること、さらには包括指定の対象をコミックやビデオテープにまで広げ、区分陳列の義務化についても定めることなどを検討中。平成14年12月11日(水)~平成15年1月7日(火)にかけて意見を募集し、条例改定の参考にするという。意見は所定の「意見提出用紙」に必要事項を記入し、郵便、ファクス、電子メールのいずれかの方法により提出する。(2002/12/13)

▼「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正についての意見の募集」

http://www.pref.nara.jp/seisyonen/public_c/top.htm

▼「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正に対する意見の募集について」

http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h14/html/81500-1210M03108.html

 

<H14-2>

 奈良県青少年課がまとめた「奈良県青少年の健全育成に関する条例」改正検討項目(案)によると、具体的な変更点は次の通りである。

1.図書類の定義にCD-ROMやDVD等を明示する。

2.青少年が有害情報を見たり、聴いたり、読んだりすることがないようプロバイダ等に自主的な配慮を求める。

3.施行規則に定める包括指定の基準を、写真については1枚以上(従来通り)、絵・コミック等については10ページ以上または総ページ数の10分の1以上、ビデオテープ等については3分以上または10場面以上とする。

4.図書類の販売または貸付けを行う事業者に対し、「有害」図書類を監視可能な場所に陳列すること、青少年は閲覧しないよう掲示することを義務付ける。また、必要があると認める時は、知事が当該事業者に対し、指示または勧告を行えるようにする。

5.レンタルビデオ店、カラオケ店等も立入調査の対象とする。

(2003/2/22)

 

<H14-3>

 柿本善也・奈良県知事は2003年2月24日、平成15年2月定例県議会に上程した青少年条例改定案について「昨今の情報化の進展や社会環境の変化を踏まえ、インターネットに関する自主規制や有害図書類の包括指定の拡大などを盛り込むため、「奈良県青少年の健全育成に関する条例」を改正するとともに、その内容を県民大会やビデオ、リーフレットにより広く周知・啓発し、青少年を有害環境から守る気運を醸成してまいります」と説明。(2003/3/4)

 

<H14-4>

 奈良県議会は2003年3月18日、平成15年2月定例県議会に上程されていた「奈良県青少年の健全育成に関する条例の一部を改正する条例」を原案通り可決した。新条例は2003年4月1日(区分陳列については10月1日)から施行される。(2003/3/20)

 

<H14-5>

 奈良県青少年課は2003年4月3日、「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正に対する意見募集の結果について」を発表。44個人・団体から55件の意見が寄せられたという。(2003/4/12)

▼「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正についての意見募集の結果」

http://www.pref.nara.jp/seisyonen/public_c_/top.htm

 

<H14-6>

 奈良県青少年課は「青少年の未来のために(奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正ポイント)」を公表。(2003/7/8)

▼「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正ポイントを掲載しました」

http://www.pref.nara.jp/seisyonen/zyourei/top.html

 

【参考情報】

1.関連年表

2001年

3月5日

 奈良県議会平成13年2月定例会において、「奈良県青少年の健全育成に関する条例」の改正に関する請願が厚生委員会に付託される。請願者は、はしおサロン代表・廣橋裕子氏。紹介議員は神田加津代(自由民主党)、奥山博康(清新会)、新谷春見(奈良県議会公明党)の各議員。

 

3月6日

 奈良県議会・厚生委員会は、「奈良県青少年の健全育成に関する条例」の改正に関する請願について継続審査とすることを決定。

 

3月8日

 奈良県議会平成13年2月定例会において、神田加津代議員(自由民主党)が青少年の健全育成を阻害する社会環境の排除を要望。「ポルノ、ホラーコミック等の有害図書やビデオ、児童買春、虐待、テレビでの暴力や殺人シーンなどが日常的に青少年の視覚や聴覚を刺激するのです。このようなことを繰り返し体験した子どもたちが、どうなるのでしょうか。刺激を受け続けると、そのことが当たり前になり、時には現実との区別すらできず、想像を超えた事件に発展する事例を、私たちはこの数年見てきました」などとして、青少年の健全育成に積極的に取り組むよう県に求めた。

 

6月12日

 「奈良県青少年の健全育成に関する条例」の改正に関する請願の紹介議員に、梶川虔二(新創NARA)、今井光子(日本共産党)、藤本昭広(無所属)の各議員が追加される。

 

6月28日

 奈良県議会・厚生委員会は、「奈良県青少年の健全育成に関する条例」の改正に関する請願について全会一致で採択。

 

6月29日

 奈良県議会平成13年6月定例会において、「奈良県青少年の健全育成に関する条例」の改正に関する請願が採決される。

 

2002年

3月11日

 奈良県議会平成14年2月定例会において、「有害情報」並びに「有害図書」規制に関する陳情が上程される。陳情者は、奈良県PTA協議会会長・内田リカコ氏。

 

4月6日

 『奈良新聞』に「有害図書の包括規制を 校長会など各種団体 条例改正求める」という記事が掲載される。

▼「有害図書の包括規制を 条例改正求める 校長会など各種団体」

http://www.nara-shimbun.com/n_soc/soc2471.html

 

6月9日

 『奈良新聞』に「有害図書、毎月指定に 県青少年問題協議会 「包括」は見送る」という記事が掲載される。

▼「有害図書、毎月指定に 「包括」は見送る 県青少年問題協議会」

http://www.nara-shimbun.com/n_all/all2253.html

 

9月30日

 奈良県議会平成14年9月定例会で、中村 昭議員(新創NARA)が青少年の健全育成について質問。

 露骨で犯罪的な性表現を含むコミック類やビデオなどの有害図書類が、県内の書店やコンビニエンスストア、あるいはまた自動販売機などで昼夜を問わず販売をされ、青少年を取り巻く環境はますます厳しくなってきております。県では、有害図書類の指定を行い、世間にはんらんしております有害図書から青少年を守るためにも、今こそ実効性のある施策を打ち出すべきであると考えますが、いかがであるか、お伺いをするところであります。

 この質問に対し、大倉 潔生活環境部長は次のように回答。

 最近の青少年を取り巻く社会環境は、お述べのように情報化の進展、価値観の多様化等、さまざまな要因によりまして極めて厳しいものとなってございます。こうした状況の中で、ご指摘の、青少年に有害な図書類の問題についてでございますが、各界の有識者で構成をいたします青少年問題協議会、これの重要な審議事項の一つとして位置づけ、検討をいただいているところでございます。中村議員にも厚生委員長としてお入りをいただいているところでございます。よろしくお願いを申し上げます。

 まず、有害図書類の指定についてでございますが、奈良県青少年の健全育成に関する条例に基づきまして、本年六月から毎月指定をし、早期の対応を図っているところでございます。さらに、実効性ある施策といたしまして、事前に定めた基準に基づきます包括指定、さらに、販売店における区分陳列の導入等につきまして現在検討を行っているところでございます。また、従来より行っている立入調査につきましても引き続き強化をし実施をしてまいりたい、かように思っているところでございます。

 

12月11日

1.奈良県は「奈良県青少年の健全育成に関する条例」を改定し、1.「有害図書類」として指定できる対象にCD-ROMやDVDを加える、2.プロバイダなどに自主規制を求める、3.包括指定の対象をコミックやビデオテープにまで広げる、4.区分陳列を義務化する、5.立入調査の対象範囲を拡大するの5点について、県民から意見の募集を開始。募集期間は平成14年12月11日(水)~平成15年1月7日(火)。

▼「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正に対する意見の募集について」

http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h14/html/81500-1210M03108.html

 なお、奈良県青少年課がまとめた「奈良県青少年の健全育成に関する条例」改正検討項目(案)によると、具体的な変更点は次の通りである。

1.図書類の定義にCD-ROMやDVD等を明示する。

2.青少年が有害情報を見たり、聴いたり、読んだりすることがないようプロバイダ等に自主的な配慮を求める。

3.施行規則に定める包括指定の基準を、写真については1枚以上(従来通り)、絵・コミック等については10ページ以上または総ページ数の10分の1以上、ビデオテープ等については3分以上または10場面以上とする。

4.図書類の販売または貸付けを行う事業者に対し、「有害」図書類を監視可能な場所に陳列すること、青少年は閲覧しないよう掲示することを義務付ける。また、必要があると認める時は、知事が当該事業者に対し、指示または勧告を行えるようにする。

5.レンタルビデオ店、カラオケ店等も立入調査の対象とする。

 

2.『奈良新聞』に「有害図書制限に県民の声 青少年健全育成条例改正で県 IN上の情報規制も」という記事が掲載される。

▼「有害図書制限に県民の声 IN上の情報規正も 青少年健全育成条例改正で県」

http://www.nara-shimbun.com/n_all/all2957.html

 

2003年

2月24日

 柿本善也・奈良県知事は平成15年2月定例県議会に上程した青少年条例改定案について「昨今の情報化の進展や社会環境の変化を踏まえ、インターネットに関する自主規制や有害図書類の包括指定の拡大などを盛り込むため、「奈良県青少年の健全育成に関する条例」を改正するとともに、その内容を県民大会やビデオ、リーフレットにより広く周知・啓発し、青少年を有害環境から守る気運を醸成してまいります」と説明。

 

3月18日

 奈良県議会は平成15年2月定例県議会に上程されていた「奈良県青少年の健全育成に関する条例の一部を改正する条例」を原案通り可決。

 

4月3日

 奈良県青少年課は「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正に対する意見募集の結果について」を発表。44個人・団体から55件の意見が寄せられたという。

▼「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正についての意見募集の結果」

http://www.pref.nara.jp/seisyonen/public_c_/top.htm

 

7月1日

 奈良県青少年課は「青少年の未来のために(奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正ポイント)」を公表。(7/8)

▼「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正ポイントを掲載しました」

http://www.pref.nara.jp/seisyonen/zyourei/top.html

 

2.奈良県における「有害」指定件数(個別指定)

平成13年度

 

2001年 9月25日

2001年11月30日

2002年 2月15日

-------------------

    計

36

28

45

-----

109

平成14年度

 

2002年 6月25日

2002年 7月23日

2002年 8月23日

2002年10月 1日

2002年10月25日

2002年11月22日

2002年12月27日

2003年 2月 4日

2003年 3月25日

-------------------

    計

12

13

12

11

12

12

12

10

14

-----

108


もどる