■「有害」規制法案・条例の状況

 

千葉県青少年健全育成条例


<H16-1>

1.堂本暁子・千葉県知事は2004年5月13日、定例記者会見で、「有害図書だとかそういったものが氾濫している」と指摘し、「首都圏内で神奈川県へ行ったら買えるとか、埼玉へ行ったら買えるというような、そういうことではあまり意味がないので共通した形で1都3県でそれを進めようとしています」と述べた。また、県青少年健全育成条例について、「東京、神奈川、埼玉も千葉とは違った条例を持っているので、そこのところでより強化する方向でお互いにこれから研究していけたらいい」と、条例を強化する考えがあることを明らかにしている。(2004/5/16 06:45)

▼知事定例記者会見(04年5月13日)

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/a_hisyo/chiji/kaiken/04/040513.html

 

2.『東京新聞』2004年5月14日付「8都県市 連携めぐり白熱」という記事によると、12日に開催された8都県市首脳会議(首都圏サミット)の席上、堂本暁子・千葉県知事は「広域で徹底的な規制をするために、有害図書を各県が共通して指定することを提案したい」と発言したという。(2004/5/16 06:45)

 

<H16-2>

 『読売新聞』(千葉版)2004年10月4日付「18歳未満の古本売買規制を検討 知事表明」という記事によると、堂本暁子・千葉県知事は県議会で、現在は認められている青少年からの古書買い取りを規制するため、県青少年健全育成条例を改定する考えを明らかにしたという。(2004/10/5 07:15)

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

<H16-3>

 千葉県は県青少年問題協議会を12月14日(火)午後1時から開催する。会場は千葉市中央区長洲1-8-1、プラザ菜の花3階。傍聴の受付は、12時45分から先着順で行われ、定員(10人)になり次第終了。議題は「千葉県青少年健全育成条例の一部改正について」など。(2004/12/5 10:05)

 

<H16-4>

 千葉県は「県青少年健全育成条例・同施行規則」の改定について意見を募集している。公表資料には、八都県市で共通化を進めている、(1)「有害」図書等の区分陳列基準の設定、(2)青少年の深夜立入制限施設の追加など、(3)生セラの規制、(4)スカウトの規制――の4項目が掲げられている。また、自販機の定義規定を新設することや、古物の買受け制限を強化すことなども盛り込まれている。募集期間は平成16年12月8日(水)~平成17年1月6日(木)。意見は住所、氏名を記入し、郵便、ファクス、電子メールいずれかの方法により提出する。提出先などは次のページで確認することができる。(2004/12/9 07:20)

▼「千葉県青少年健全育成条例・同施行規則の改正について県民の皆様の御意見を募集します」

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kenmin/seisyounen/jorei/boshu.htm

 

<H16-5>

 千葉県議会2月定例会が2005年1月25日に開会し、「千葉県青少年健全育成条例の一部を改正する条例の制定について」など76議案が提出された。県青少年健全育成条例改定案は2月17日に可決される見通し。(2005/1/30 06:35)

▼「平成17年 2月定例県議会」

http://www.pref.chiba.jp/gikai/1702/teireikaigaiyou1702.html

 

<H16-6>

 千葉県議会は2005年2月17日、平成17年2月定例会に提出されていた「千葉県青少年健全育成条例の一部を改正する条例」を原案通り可決した。改定により、八都県市で共通化を進めている(1)「有害」図書等の区分陳列基準の設定、(2)青少年の深夜入場制限施設の設定、(3)生セラの規制、(4)スカウトの規制――の4項目が導入された。また、自動販売機や自動貸出機の定義が新設され、年齢識別装置や監視カメラの有無にかかわらず条例の規制対象になることが明確にされたほか、青少年から古書籍を買い取る場合は保護者の委託や同意の確認が必要となった。新条例は2005年9月1日から施行される。(2005/2/25 06:35)

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

<ゲーム-1>

 『東京新聞』2005年3月2日付「残虐ゲーム有害指定へ 神奈川県 少年への販売を禁止」という記事によると、神奈川県は残虐な描写が登場するテレビゲームソフトを「有害図書類」に指定する方針を固めたという。1日の県議会委員会で明らかにされたといい、今後は東京都、千葉県、埼玉県にも共同歩調を呼びかけるという。(2005/3/2 07:10)

【関連リンク】

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

 

<H16-7>

 千葉県は「有害図書等」の区分陳列基準を規則で定めることなどを盛り込んだ「千葉県青少年健全育成条例の一部を改正する条例」が2005年2月に可決されたことを受け、次のような陳列方法を定めた「千葉県青少年健全育成条例施行規則の一部を改正する規則」を2005年3月に公布した。

(有害図書等の区分陳列の方法)

第2条の3 条例第11条第1項の規定による有害図書等を陳列するときの他の図書等との区分の方法は、次の各号のいずれかの措置をとり、かつ、有害図書等を陳列する場所の見やすい箇所に、容易に判読できる大きさの文字を使用して、有害図書等を青少年に販売等することができない旨の表示をすることとする。

(1) 間仕切り等により仕切られた場所で、かつ、内部を容易に見通すことができない措置がとられた場所に有害図書等を陳列すること。

(2) 有害図書等以外の図書等を陳列する棚から60センチメートル以上離した棚に、有害図書等を陳列すること。ただし、有害図書等を陳列する棚を、有害図書等以外の図書等を陳列する棚の背面に設置する場合を除く。

(3) 有害図書等を陳列する棚の前面から10センチメートル以上張り出す仕切り板(透視できない材質のものとする。)を設け、当該仕切り板と仕切り板の間に、有害図書等をまとめて陳列すること。

(4) 床面から150センチメートル以上の高さの位置に背表紙のみが見えるようにして、有害図書等をまとめて陳列すること。

(5) 有害図書等をビニール包装、ひも掛けその他の方法により、容易に閲覧できない状態にしてまとめて陳列すること。

 このほか、2月の改定で新設された区分陳列の改善命令について、「有害図書等区分陳列措置命令書」により行うことなどが定められた。区分陳列に関する部分は2005年9月1日から施行される。(2005/4/20 07:20)

 

<H16-8>

1.『千葉日報』2005年9月16日付19面に掲載された「条例改正後初の摘発 カラオケ店深夜まで未成年者入店 松戸東署」という記事によると、姉と2人で来店した女性を18歳未満と知りながら深夜まで入場させたとして、松戸東署は15日、県青少年健全育成条例違反の疑いでカラオケ店本社と船橋市の店舗の支配人、従業員を松戸区検に書類送検したという。調べに対し、2人は「条例の改正は知っていたが、忙しくて通知できなかった」と供述しているという。(2005/9/24 07:20)

【関連リンク】

▼「最新事件・事故ファイル(2005/09/15)」

http://www.police.pref.chiba.jp/trouble/newest/index.php?sl_year=2005&sl_mon=09&sl_mday=15

 

2.八都県市では「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が2004年3月に改定されて以降、青少年条例の強化・共通化が進められた。埼玉県は2004年10月、千葉県は2005年2月、神奈川県は2005年3月にそれぞれ条例を改定。カラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェへの青少年の深夜入場禁止など数項目が共通化されている。

 また、千葉県は独自の規制として、常習として自販機へ「有害図書等」を収納した者は、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」という規定を新設し、自販機に対する規制を強化。改定後の条例は2005年9月1日から施行されていた。(2005/9/24 07:20)

 

<H16-9>

1.『千葉日報』2005年9月18日付19面「有害図書自販機取り締まり着々 県内6割撤去 県警 悪質業者には強制捜査も」や『読売新聞』(千葉版)2005年9月18日付30面「わいせつ自販機401台を撤去完了 県警先月末まで」という記事によると、「有害図書」を収納する自動販売機の「ゼロ作戦」を展開している県警は、8月末までの3ヵ月間に、県に届け出ている業者には条例の周知徹底と早期撤去を指導し、地権者には自発的撤去を促したという。この結果、2月の調査で629台あった自販機のうち401台が撤去され、86台については「有害図書」が納められていない状態だという。また、県青少年健全育成条例違反(有害図書等収納)容疑で28件36人を集中摘発。罰則を強化した条例が今月1日から施行されており、県警は撤去要請に従わない業者には強制捜査も視野に入れ、県内完全撤去を目指していくという。(2005/9/24 08:30)

 

2.2004年12月の千葉県青少年問題協議会では県青少年健全育成条例の見直しについて審議が行なわれた。このときの会議資料を「有害」規制監視隊が入手したところ、自動販売機の設置状況などに関する資料が含まれていた。これによると、千葉県の設置台数945台(自販機と貸出機の合計)は、東京都1265台、大阪府1264台、京都府971台に続いて全国で4番目に多い台数となっている(ただし調査時期にズレあり)。

 また、千葉県における「図書等及び特定がん具等の自動販売機」の設置台数と警告件数は、

平成12年7月末 831台 1063件

平成13年7月末 817台  669件

平成14年7月末 784台  934件

平成15年7月末 728台  882件

と推移しており、「自動販売業者等の検挙状況」については、平成12年が10件22人、平成13年が3件4人、平成14年が17件28人、平成15年が12件19人であるという。(2005/9/24 08:30)

 

<H16-10>

 千葉県警の発表によると、深夜に女子中学生を連れ出したとして、東金署は2005年10月4日、千葉県青少年健全育成条例違反(青少年の深夜連れ出し)の疑いで1人を逮捕したという。

 千葉県は2005年2月に県青少年健全育成条例を改定したさい、「何人も、威迫し、若しくは欺く等不当な手段により、又は保護者の委託若しくは承認その他正当な理由がなく、深夜に、青少年を連れ出し、同伴してはいかいし、又はとどめてはならない」(第23条の2)という規定を新設。この規定は2005年9月1日から施行されていた。(2005/10/7 07:20)

【関連リンク】

▼「最新事件・事故ファイル(2005/10/04)」

http://www.police.pref.chiba.jp/trouble/newest/index.php?sl_year=2005&sl_mon=10&sl_mday=04

 

<ゲーム-2>

 千葉県は2005年11月10日、「千葉県青少年問題協議会指導育成部会」の開催概要を発表した。日時は11月17日(木)午後2時から。会場は千葉県庁本庁舎1階多目的ホール。問合せ先などは次のページで確認することができる。

▼「「千葉県青少年問題協議会指導育成部会」の開催について」

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kenmin/seisyounen/seimon2/kaisai.html

 議題の一つには「諮問事項について(有害図書等の指定)」とあることから、神奈川県や埼玉県に続いて千葉県でも、ゲームソフトの個別指定が審議されるのかもしれない。(2005/11/11 06:25)

 

<ゲーム-3>

 千葉県は2005年11月17日に開かれた千葉県青少年問題協議会指導育成部会にゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」を個別指定すべきか諮問した。傍聴された方によると、ゲームソフトの映像をスクリーンに映し出し、ゲームの仕組みや認定基準に該当する場面の説明が行われたという。映写は30分ほど続いたものの、各委員が意見を述べたのは10分程度。議長が「指定をするということを答申したいと思いますがよろしいでしょうか」と確認すると、残りの委員全員(7人)が指定に賛同したという。「グランド・セフト・オートⅢ」は2005年6月7日に神奈川県、9月16日に埼玉県が「有害」指定したゲームソフトと同一タイトル。指定の告示は約2週間後の予定だという。(2005/11/17 20:00)

【関連リンク】

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

 

<ゲーム-4>

 千葉県は県青少年問題協議会指導育成部会の答申に基づき2005年12月13日、ゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」の「有害」指定を告示した。「グランド・セフト・オートⅢ」は2005年6月に神奈川県、9月に埼玉県が「有害」指定したゲームソフトと同一タイトル。

▼「千葉青少年健全育成条例第10条第1項の規定による有害図書等(家庭用ゲームソフト)の指定について」

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kenmin/seisyounen/seimon/gamesitei.html

【関連リンク】

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

 

<H16-11>

1.『千葉日報』2006年6月25日付19面に掲載された「“街角のわいせつ”断固撲滅 有害図書自販機県内から一掃 常習業者に猶予付懲役刑も」という記事によると、昨年6月1日の時点で629台あった「有害図書」の自動販売機のうち、5月末までに587台が撤去され、残りの42台には「有害図書」が収納されていない状態だという。県警は昨年6月から実施した「有害図書」を収納する自販機の「ゼロ作戦」で、43件52人を摘発、撤去に応じないなどの4人を逮捕したという。このうち、モニターで監視しているとして容疑を認めなかった業者の男には「常習罪」を適用。千葉地裁は5月に懲役6月執行猶予2年を言い渡して確定しているという。

 

2.1の記事には「自販機の有害図書を一掃したのは、全国で神奈川県と本県のみという」とある。ただ、『日本海新聞』2006年3月23日付23面に掲載された「有害図書の自販機ゼロ 県内取り組み実る」という記事によると、鳥取県内には2001年度に114台の「有害図書」の自販機があったが、現在7台となり、うち5台は稼動を停止、2台は「有害図書」を扱っていないという。鳥取県が含まれていない理由は不明。なお、神奈川県については『毎日新聞』(横浜版)2006年4月15日付25面に掲載された「有害図書自販機県内から“一掃” 県警が宣言 04年に628台→3月に72台→姿消す」という記事が参考になる。

 

3.八都県市では2004年3月~2005年3月にかけて青少年条例の強化・共通化が進められた。このとき千葉県は独自の規制として自販機規制に「常習罪」を新設。この規定は2005年9月1日から施行されていた。

 

4.各都道府県における自販機の設置台数等は以下のページに掲載されている「千葉県青少年問題協議会資料」や「(資料1)佐賀県青少年健全育成条例の概要」が参考になる。

▼「千葉県青少年問題協議会開催結果」

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kenmin/seisyounen/seimon/ketka.htm

▼「平成17年度第1回佐賀県青少年健全育成審議会(全体会)」

http://www.pref.saga.jp/kenseijoho/shingikai/result.php?rid=138

(2006/7/14 07:40)

 

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

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