■「有害」規制法案・条例の状況

 

いしかわ子ども総合条例(旧「石川県青少年健全育成条例」)


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 石川県は「青少年健全育成条例」を子育て支援などを含む「石川県子ども総合条例(仮称)」に統合するとともに、規制を強化する準備を進めている。「石川県子ども総合条例(仮称)検討委員会」の会議資料によると、新たな規制としては、(1)団体指定の導入、(2)「有害図書等」の包装義務化、(3)自販機の定義明確化、(4)古物買い受け制限の「古書籍及び古雑誌を除く」の削除、(5)生セラの禁止、(6)スカウトの禁止、(7)青少年のインターネット利用に関する努力義務の新設が予定されている。また、「青少年健全育成審議会」が行っている「有害図書等」の審査などは「石川県子ども政策審議会」に引き継がれるという。条例案は平成19年2月県議会に提出される予定。「石川県子ども総合条例(仮称)検討委員会」の議事録、資料は次のページで確認することができる。

▼石川県健康福祉部企画調整室(少子化対策関係)

http://www.pref.ishikawa.jp/kousei/shoushika/shoushi.html

 

2.第3回検討委員会で示された「骨子」について、委員の一人は「本条例は子どもの総合条例です。健全育成条例の元があるから、大人の責務が強調され、子どもたちは単に保護の対象とするような視点がどうしてもあるような気がします」「健全育成条例の保護や規制、要するに子どもたちは保護の対象であるというところから一部抜けきれていないように思います」と語っている。この委員は「辛口で申し訳ない」と弁解しているが、果たしてそうだろうか。

 石川県の谷本正憲知事は2001年に「有害図書等」の販売規制を重罰化したさい、県議会で「県民の方々の強い要望や有害な環境から子供たちを守るために今回、懲役刑の導入を決断し、条例の改正をお願いすることといたしました」「有害な環境から一人でも多くの青少年を守るためには厳しい罰則で臨むという強い姿勢が必要」と述べている。「素案」を読む限り、こうした規制内容が変わるわけではなく、むしろ拡大・強化されている。委員の指摘は「辛口」どころか、条例の性格に対する当然の指摘といえるだろう。(2006/12/25 07:25)

 

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 石川県は「石川県子ども総合条例(仮称)」の素案について意見を募集している。公表された資料によると、「子どもの健全な育成」「若者の自立に向けた支援」「子育て支援」「食育の推進」「子どもの権利擁護」という幅広い分野を含む子どもに関する総合的な条例を目指しているという。健全育成の分野では、現行の「石川県青少年健全育成条例」を新条例に統合するとともに、規制の拡大・強化を実施する。新たな規制としては、(1)団体指定の導入、(2)「有害図書等」の包装義務化、(3)自販機の定義明確化、(4)古物買い受け制限の「古書籍及び古雑誌を除く」の削除、(5)生セラの禁止、(6)スカウトの禁止、(7)青少年のインターネット利用に関する努力義務の新設が予定されており、県による「有害環境」浄化活動の推進も規定するという。また、「石川県青少年健全育成審議会」が行っている「有害図書等」の審査などは「石川県子ども政策審議会」に引き継がれるという。意見の募集期間は平成18年12月25日(月)~平成19年1月15日(月)。資料や提出方法、「石川県子ども総合条例(仮称)検討委員会」の議事録などは以下のページで確認することができる。

▼「「石川県子ども総合条例(仮称)」素案に対する県民の皆様のご意見等を募集しています。」

http://www.pref.ishikawa.jp/kousei/shoushika/soanpubcom.html

▼石川県健康福祉部企画調整室(少子化対策関係)

http://www.pref.ishikawa.jp/kousei/shoushika/shoushi.html

(2006/12/26 06:40)

 

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 石川県の谷本正憲知事は2007年2月16日、記者会見で「今議会に、子育て支援、子どもの健全育成、子どもの権利擁護といった幅広い分野を包含する「いしかわ子ども総合条例」を提案させていただく」という方針を示した。平成19年第1回石川県議会定例会は2月22日~3月16日まで開かれる。

▼「記者会見の要旨」

http://www.pref.ishikawa.jp/chiji/hatsugen_kisya.html

(2007/2/21 07:40)

 

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

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