■「有害」規制法案・条例の状況

 

栃木県青少年健全育成条例


<H18-1>

 上野通子議員は2005年9月28日の定例県議会において、「青少年に対するネット情報を含む有害情報への対応の強化や青少年の深夜外出の抑止、そして、非行につながる行為への対応強化などにかかわる条例の改正が必要」と述べ、「条例改正の進捗状況と今後の見通し」について質問した。これに対し、生活環境部長は「県としてはできる限り早い時期の改正を目指しまして、改正作業を進めてまいりたい」と答えている。

 上野議員は「青少年に対する悪影響を考えると、栃木県でも残虐ゲームソフトの取り扱いにしても、何らかの早急な対応が必要」との認識を示したが、「条例による規制の強化が青少年の健全育成に最良の方法であるとは決して言い切れない」と指摘。「子供たちに対する周囲の大人や保護者の正しい判断力の育成やモラル教育の充実も重要」とも主張している。定例県議会の会議録は次のページで確認することができる。(2005/12/13 06:50)

▼栃木県議会

http://www.pref.tochigi.jp/gikai/index.html

 

<H18-2>

 栃木県が発表した栃木県青少年問題協議会の会議結果によると、2006年1月17日の会合では、「栃木県青少年健全育成条例改正概要」について協議したという。会議結果は次のページで確認することができる。(2006/1/31 07:40)

▼「会議結果のお知らせ」

http://www.pref.tochigi.jp/josei/singi/mondai-kekka.html

 

<H18-3>

 『下野新聞』2006年1月18日付3面に掲載された「県青少年条例全面改正へ」という記事によると、栃木県は、青少年の深夜入場禁止施設にインターネットカフェなどを追加し、入れ墨の禁止や生セラ規制を新設する方針だという。また、都条例を参考に淫行行為への罰則を強化することも検討しているという。県生活環境部は5月までにパブリックコメントを実施し、9月県議会に条例改定案を提出する予定だという。

 八都県市(4都県)では、2004年から2005年にかけて、(1)「有害図書」の区分陳列基準の設定、(2)カラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェへの青少年の深夜入場の禁止、(3)生セラの禁止、(4)スカウトの禁止、(5)保護者の同意を得ない古物(書籍・CD等)の買い受け行為の禁止――の5項目を共通化している。栃木県が青少年条例を強化するさいには、記事にある項目のほか、区分陳列規制の強化なども行われるのかもしれない。(2006/2/8 07:45)

 

<H18-4>

 青少年条例の見直しを検討している栃木県は2006年3月17日(金)に県青少年問題協議会を開催する。「栃木県青少年健全育成条例改正の骨子」について審議する。時間は10時から。会場は栃木県公館中会議室(宇都宮市昭和1-1-38)。 開催案内は次のページで確認することができる。(2006/3/13 07:25)

▼「★会議開催のお知らせ★」

http://www.pref.tochigi.jp/josei/singi/mondai-kaisai.html

 

<H18-5>

1.栃木県が発表した県青少年問題協議会の会議結果によると、2006年3月17日の会合では、「栃木県青少年健全育成条例改正の骨子」について審議したという。会議結果は次のページで確認することができる。

▼「会議結果のお知らせ」

http://www.pref.tochigi.jp/josei/singi/mondai-kekka.html

 

2.「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(平成11年4月27日閣議決定)では、国の審議会等について「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とあるほか、議事録等を「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワークへの掲載に努めるものとする」と、具体的な公開方法まで示されている。

 

3.各都道府県が設置する青少年関係の審議会等についても、「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワーク」、すなわち各都道府県のホームページに議事録などが掲載されている。ただ、「議事内容の透明性」には差があり、神奈川県や千葉県などでは発言者名のある議事録が掲載される一方、愛知県や香川県などでは発言者名のない議事要録が、京都府や福井県などでは議事の概要が掲載されるにとどまっている。

 栃木県の場合は議題がわかるだけであり、「議事内容の透明性」は極めて低い。ところがこの程度のことさえ実施しない県があるのも事実である。青少年関係の審議会等について、「議事内容の透明性」が低いことは何を意味するのだろうか。透明性の低さが問題にされないのはなぜだろうか。(2006/4/11 06:45)

 

<H18-6>

 栃木県は 「「栃木県青少年健全育成条例」改正案」への意見を募集している。公表された資料によると、新たな規制として、区分陳列違反などへの指導、勧告、公表措置を新設し、入れ墨・生セラ・スカウト、保護者の同意を得ない古書の買い受け行為、カラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェなどへの青少年の深夜入場なども禁止するという。また、インターネットカフェなどが区画を設けて営業する場合は、錠を取り付けてはならず、内部を見通せる設備を設けなければならないよう規定するという。募集期間は平成18年6月1日(木)~6月30日(金)。提出方法や公表資料などは次のページで確認することができる。(2006/6/2 07:40)

▼「「栃木県青少年健全育成条例」改正案に対するパブリックコメント(県民意見の募集)の実施について」

http://www.pref.tochigi.jp/josei/jyourei/public.html

 

<H18-7>

1.栃木県は2006年9月22日に開会した平成18年9月定例会に「栃木県青少年健全育成条例案」を提出した。栃木県ホームページに掲載された「知事説明要旨」によると、福田富一知事は「情報化の急速な進展や深夜営業の増加、規範意識の低下など、青少年を取り巻く社会環境の変化に的確に対応し、青少年の健全な育成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、栃木県青少年健全育成条例の全部を改正するもの」と説明している。条例案は10月10日に可決される見通し。知事説明要旨は次のページで確認することができる。

▼「平成18年9月議会知事説明要旨」

http://www.pref.tochigi.jp/zaisei/26/yousi1809.htm

 

2.栃木県青少年問題協議会では、ほぼ1年前の2005年9月9日に「「栃木県青少年健全育成条例」全面改正スケジュール」という資料が配布されている。これによると、今後の予定はおおむね次の通りである。

 

・条例案

2006年11月1日 一部施行

2007年4月1日 全部施行

・警察本部

2007年4月1日 罰則条項適用開始

・担当課(女性青少年課)

2006年9月下旬 逐条解説、広報資料作成

2007年1月上旬 逐条解説、広報資料発行

 

 また、条例案の検討は2005年2月に女性青少年課でスタートしていたという。(2006/9/25 07:05)

 

<H18-8>

1.栃木県は2006年10月13日、従来の条例を全面的に改めた「栃木県青少年健全育成条例」を公布した。新条例は一部を除き2007年4月1日から施行される。

 

2.新しい「栃木県青少年健全育成条例」は次のページで確認できる……はずだが、15日現在、掲載されているPDFファイルをダウンロードすることができない。

▼「栃木県青少年健全育成条例の制定と改正案に対するパブリックコメント(県民意見の募集)の実施結果について」

http://www.pref.tochigi.jp/josei/jourei/181013kaisei.html

(2006/10/15 07:00)

 

<H18-9>

 栃木県は2006年10月13日に「栃木県青少年健全育成条例の制定とパブリックコメントの実施結果」を県ホームページに掲載した。ところがリンクに誤りがあったため、資料が閲覧不能になっていた。17日までにリンクは修正され、現在は閲覧できる状態になっている。なお、「有害」規制監視隊は2006年10月16日午前7時にリンク先を確認するよう栃木県女性青少年課へメールを送っているが、何の連絡もない。

▼「栃木県青少年健全育成条例の制定と改正案に対するパブリックコメント(県民意見の募集)の実施結果について」

http://www.pref.tochigi.jp/josei/jourei/181013kaisei.html

(2006/10/17 07:25)

 

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

青少年条例と銃刀法によるダガーナイフ規制の主な動き


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