■「有害」規制法案・条例の状況

 

鳥取県青少年健全育成条例


<H19-1>

 鳥取県は「県青少年健全育成条例」の見直しについて意見を募集している。公表された資料によると、(1)深夜営業施設への規制強化、(2)スカウトの禁止、(3)フィルタリングソフト使用の義務化、(4)自主規制対象となる図書類・情報の拡大、(5)団体指定制度の導入――などを検討しているという。フィルタリングソフトの使用については、インターネットカフェなどに対する知事の改善命令を新たに規定し、命令に従わない場合の罰則も設けるという。募集は2007年10月10日(水)まで。意見の提出方法などは次のページで確認することができる。

▼「鳥取県青少年健全育成条例の改正についての意見募集」

http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=69525

(2007/9/13 07:40)

【関連情報】

 インターネットの「有害情報」規制について罰則を設けるという話は以前からあった。例えば長崎県が公表した平成19年度第1回長崎県少年保護育成審議会の会議結果によると、2007年8月6日の審議会では「国では、有害情報に関する規正法の制定を考えているようですが、県としては、その動きを把握しておられますか」という委員の質問に対し、事務局は「国が情報通信法(仮称)なるものを検討中であることは把握しております。有害情報の規制につきましては、国は罰則までは考えていないようでございますが、各県が条例等で有害情報に関する規制で罰則を設けることは問題ない、という見解にあるようでございます」と答えていた。

 「各県が条例等で有害情報に関する規制で罰則を設けること」というのがフィルタリングソフトの使用義務化を意味しているのかはわからない。ただ、鳥取県のような規定を設ける自治体は今後増えるもとの思われる。(2007/9/19 07:40)

 


 

<H16-1>

 鳥取県は「鳥取県青少年健全育成条例を一部改正する条例(案)の骨子」について意見を募集している。骨子案には、自販機規制の強化や、青少年からの古物の買い取り等に規制を設けること、さらには知事から委嘱を受けた県民が区分陳列状況などを報告する「鳥取県青少年健全育成協力員(仮称)」制度を新設することなどが盛り込まれている。締切りは平成16年10月29日(金)。意見は住所、氏名、電話番号または電子メールアドレスを記入し、郵便、ファクス、電子メールいずれかの方法により提出する。提出先や骨子案は次のページで確認することができる。(2004/10/13 07:30)

▼「鳥取県青少年健全育成条例を一部改正する条例(案)の骨子」

http://www.pref.tottori.jp/kyoudousuishin/youth/public.htm

 

<H16-2>

1.鳥取県は2001年12月に県青少年健全育成条例を改定し、包括指定を導入している(施行は2002年4月1日)。現在は年8回「有害図書類指定審査会」が開催され、県が購入した図書類のうち、包括指定で「有害」図書類とみなされないものについて、個別指定が行われている。新条例が施行されてからの個別指定の件数は、平成14年度が54件、平成15年度が29件。平成16年度は10月までに23件が指定されている。なお、鳥取県青少年問題協議会や有害図書類指定審査会の会議録などは次のページで確認できる。(2004/10/31 15:35)

▼「審議会等情報」

http://www.pref.tottori.jp/db/shingikai.htm

 

2.「鳥取県青少年健全育成条例を一部改正する条例案」は12月県議会に提出される予定。(2004/10/31 15:35)

▼「鳥取県青少年健全育成条例の一部を改正する条例(案)の骨子に対する意見募集について」

http://db.pref.tottori.jp/Press2.nsf/f67bc3aadbed7adc4925677c0003f099/2c02399cbe38a69049256f25000be154?OpenDocument

 

<H16-3>

 「鳥取県青少年健全育成条例を一部改正する条例案」は2004年12月1日に開会する12月定例会に提出され、12月17日に可決される見通し。なお、県が24日に発表した「平成16年12月定例県議会付議案」という資料では、「鳥取県青少年健全育成条例の一部改正」について次のように説明している。

議案第18号 鳥取県青少年健全育成条例の一部改正について(協働推進室)

 青少年の健全な育成を阻害する有害図書類等の販売の現状等にかんがみ、青少年が有害図書類等を入手しにくくするため、自動販売機等への収納禁止違反に対する罰則の強化、店舗販売における区分陳列の義務化等を行うとともに、青少年による万引き等の初発型非行の防止を図るため、青少年からの古物買受け等の規制等を行おうとするものである。

[平成17年4月1日施行ほか]

 定例会の議事日程や資料は次のページで確認することができる。(2004/11/27 07:10)

▼「平成16年12月定例会議事日程」

http://www.pref.tottori.jp/gikai/teireikai/16-12/nittei2.htm

 

<H16-4>

 鳥取県議会は2004年12月17日、平成16年12月定例会に提出されていた「鳥取県青少年健全育成条例の一部を改正する条例」を可決した。改定により、区分陳列方法に対する指導・助言およびこれに対する異議の申出や、知事から委嘱を受けた県民が区分陳列状況などを報告する「青少年健全育成協力員」制度が新設された。また、自販機規制が強化されたほか、保護者の委託・承諾がない場合における青少年からの古物の買い取り等が禁止されることとなった。新条例は2005年4月1日から施行される。(2004/1/9 07:05)

 

<H16-5>

1.鳥取県企画部協働推進室は「鳥取県青少年健全育成条例の一部改正へのパブリックコメントの結果について」を公表した。平成16年10月8日(金)から29日(金)までの募集で、合計91名から意見の提出があったという。回答は、「パブリックコメントでいただいた主な御意見と、協働推進室からの回答」のほか、「有害」規制監視隊が提出した意見についてはとくに詳しい回答が示されている。(2005/1/30 07:45)

▼「青少年のページ」

http://www.pref.tottori.jp/kyoudousuishin/youth/

▼「パブリックコメントでいただいた主な御意見と、協働推進室からの回答」

http://www.pref.tottori.jp/kyoudousuishin/youth/public(kekka).htm

▼「「有害」規制監視隊への回答」

http://www.pref.tottori.jp/kyoudousuishin/youth/kanshitai.htm

(※詳細な回答を示していただいた鳥取県企画部協働推進室に感謝します。)

 

2.「有害」規制監視隊への回答のうち、「兼職や官僚出身者」に関する部分については一部誤解があるようである。回答には鳥取県青少年問題協議会の委員について、「法律による指定ですので、いわゆる「官僚」あるいは地方公共団体の職員を任命することが必要で、この場合は兼職となります」とある。ただ、「有害」規制監視隊が問題としているのは、法律等とは無関係に特定の人物がA審議会、B審議会、C審議会……のようにいくつもの審議会を掛け持ちすること、そして役所を退職した人物が審議会委員になることである。「法律による指定」に従った結果、いわゆる「官僚」あるいは地方公共団体の職員を任命すること――を批判しているのではない。(2005/1/30 08:15)

 

3.「個別指定の規制対象から文章をはずすことを検討すべきである」という意見は、アメリカ大統領の諮問委員会が1970年にまとめた報告書を参考にしている。田宮裕「わいせつに関するアメリカ大統領委員会の報告書について(二)」『ジュリスト』第478号(1971年)によると、同委員会は報告書の中で、「州は、一定の性的物件を未成年に対して商業的に販売しまたは販売のため陳列することを禁止する立法をすべきである」と勧告しているという。ただ、禁止される物については、「委員会としては写真や図画に限るのがよく、文章は除外すべきだと考えている。文章は性教育用に有用なものがあるばかりか、そのうち妥当なものとそうでないものを選別するのは至難のわざで、結局全面的禁止という不当な結果になるおそれもあるからである」とコメントしているという。(2005/1/31 06:50)

 

<H16-6>

1.『日本海新聞』2006年3月23日付23面に掲載された「有害図書の自販機ゼロ 県内取り組み実る」という記事によると、「有害図書類」を収納した県内の自販機がすべて販売を停止したことが22日の鳥取県青少年問題協議会で明らかになったという。02年の包括指定導入や05年の罰則強化に加え、県警も03年から05年までで9件(16人)を摘発。「摘発した業者に自販機の撤去を指導することで一業者当たり十数台の撤去に結び付けた」という。こうした取り組みなどにより、2001年度に114台あった図書類販売機は現在7台になり、うち5台は稼動を停止、2台は「有害図書類」を扱っていないという。

 

2.鳥取県は青少年問題協議会の議事録・資料などをホームページで公開すべきであるという「有害」規制監視隊の意見に対し、「鳥取県青少年問題協議会の詳細な議事録・資料については、準備ができ次第、公開します」と回答している。この通りになるとすれば、22日の協議会の議事録・資料はいずれ県ホームページで公開されるものと思われる。鳥取県の回答などは次のページから確認することができる。

▼「鳥取県青少年健全育成条例」

http://www.pref.tottori.jp/kyoudousuishin/youth/jyourei/jyourei_index.htm

(2006/4/7 07:30)

 

鳥取県における「有害」指定件数(個別指定)

※「有害」規制監視隊調べ

<平成14年度>

告示日

雑誌 ビデオ
テープ
合計
2002年 5月 7日
2002年 6月25日
2002年 8月 9日
2002年10月11日
2002年11月22日
2002年12月24日
2003年 2月12日
2003年 3月25日
--------------
    合計

8
14
4
5
8
5
7
1
----
52

2
-
-
-
-
-
-
-
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2

10
14
4
5
8
5
7
1
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54

<平成15年度>

告示日

雑誌 ビデオ
テープ
合計
2003年 5月30日
2003年 7月 8日
2003年 9月 5日
2003年10月17日
2003年12月 2日
2004年 1月17日
2004年 3月 5日
--------------
    合計

6
3
3
3
7
3
4
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29

-
-
-
-
-
-
-
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-

6
3
3
3
7
3
4
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29

<平成16年度>

告示日

雑誌 ビデオ
テープ
合計
2004年 6月15日
2004年 8月 3日
2004年 9月14日
2004年10月12日
2005年 3月 8日
--------------
    合計

5
4
6
8
14
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37

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5
4
6
8
14
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37

 

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

青少年条例と銃刀法によるダガーナイフ規制の主な動き


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