■「有害」規制法案・条例の状況

 

東京都青少年の健全な育成に関する条例の状況


<H18-1>

1.『東京新聞』2007年1月13日付夕刊1面に掲載された「“網の目”で子どもを守れ! 有害サイト制限 販売店も努力義務 都、説明義務付け検討」という記事によると、東京都は携帯電話などの販売店に「フィルタリング」機能の説明義務を課す方針を固めたという。努力義務として青少年条例に明文化するという。

 

2.東京都では2005年10月1日から販売店などにフィルタリングサービスの告知・勧奨、提供の努力義務を課す「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が施行されている。一方、2006年5月に都が公表した「フィルタリングに関する実態調査」によると、「インターネットに接続できる機器を販売または貸付けしている」と回答した販売店、インターネットカフェなど191店舗のうち、48.7%がこの規定を知らなかったという。また、パソコン・携帯電話の販売店では46.9%、インターネットカフェなどでは81.0%が告知・勧奨、提供のいずれもしていなかったという。

▼「インターネットの有害情報から子どもを守ろう!!~「フィルタリング・サービス」の提供状況について~」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2006/05/60g5o100.htm

 

3.2の調査結果などを踏まえ、警察庁の「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」は2006年12月の最終報告書で、携帯電話を販売する場合は「保護者に対し、フィルタリングを利用しない場合の危険性やフィルタリングの有効性について具体的かつ十分に説明し、フィルタリングの設定についての保護者の意思をしっかりと確認する」ことなどを求めている。

▼バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen29/Virtual.htm

 

4.2の調査結果や3の報告書を読むと、フィルタリングが普及しないのは、保護者の知識や販売店の努力が不足しているからのように思えてくる。だが、『毎日新聞』2006年12月18日付10面に掲載された「親の知らぬ間に 進む子どものネット利用」という記事によると、マイクロソフトの調査ではフィルタリングサービスを知りながら使っていない親の2割が「子どものプライバシー侵害になりそうで嫌だ」と答えたという。フィルタリング説明の努力義務を販売店に課せば、利用率は向上するかもしれない。しかしながら、子どものプライバシーや、子どものプライバシーを尊重したいという保護者の意向は損なわれてしまう可能性がある。(2007/1/15 07:10)

 

<H18-2>

 東京都は2007年1月31日、平成19年第1回都議会定例会に提出する「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(案)の概要を発表した。条例案の内容は、現在「インターネット事業者」に課されているフィルタリングの告知・勧奨の努力義務を「機器販売業者等」にも課すというもの。可決されれば2007年7月1日から施行される。第1回定例会は2月7日に開会し、3月9日まで開かれる。

▼「第一回都議会定例会/青少年健全育成|東京都」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2007/01/20h1v103.htm

(2007/2/6 07:25)

 

<H18-3>

1.東京都が平成19年第1回都議会定例会に提出する「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(案)の詳しい内容がわかった。条例案の主な部分は次の通りである。

 東京都青少年の健全な育成に関する条例(昭和39年東京都条例181号)の一部を次のように改正する。

 第18条の7中第3項を第4項とし、第2項の次に次の1項を加える。

3 インターネット事業者のために利用者と契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理(以下「媒介等」という。)を業として行う者は、利用者と契約の締結の媒介等を行う際には、青少年の利用の有無を確認し、利用者に青少年が含まれる場合には、青少年に有益なソフトウェアを利用したサービスが存在する旨を告知し、その利用を勧奨するように努めなければならない。

  附則

 この条例は、平成19年7月1日から施行する。

 条例案の提案理由については「青少年の健全な育成を図るため、インターネット利用環境の整備に関する規定を整備する必要がある」と記されている。

 

2.1の条例案は2007年2月7日に都議会へ提出され、3月9日に可決される見通し。(2007/2/7 07:20)

 

<H18-4>

 『都議会だより』No.271,272(合併号)によると、平成19年第1回定例会で可決されたフィルタリングの告知・勧奨に関する「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」にはすべての会派が賛成したという。同条例は7月1日から施行される。(2007/4/5 07:40)

 

<H18-5>

 東京都は「インターネットの有害情報から子どもを守ろう!!東京大作戦」の第3弾を2007年6月22日に実施する。都では2007年3月に東京都青少年の健全な育成に関する条例が見直され、従来のインターネット事業者に加えて機器販売業者等にも「フィルタリング」を告知・勧奨する努力義務が課されている。発表資料によると、この規定が施行される2007年7月1日を前に、関係団体や事業者などを対象にフィルタリングサービスの普及啓発活動を行うという。会場は東京都庁第一本庁舎南側33階特別会議室S6。時間は午前10時30分から正午まで。行政や事業者によるフィルタリングサービス普及への取り組みや、保護者の意見なども報告されるという。

▼「インターネットの有害情報から子どもを守ろう!!東京大作戦 第3弾」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2007/06/20h6i500.htm

(2007/6/22 07:40)

 

<審議会>

1.東京都は2007年6月11日、第565回東京都青少年健全育成審議会の答申について発表した。「不健全図書」として指定するよう答申された図書類4冊のうち1冊は、指定理由に「残虐性」が挙げられている。

▼「第565回東京都青少年健全育成審議会の答申について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2007/06/40h6b100.htm

 

2.「残虐性」を理由に「不健全」指定されるケースは珍しく、東京都では2005年4月以来である。議事録がまだ公開されていないため詳細は不明だが、2007年5月に福島県会津若松市で高校生が母親を殺害した事件が影響したのかもしれない。

 

3.東京都の指定は他県に影響を及ぼす可能性が高い。例えば、東京都が2007年1月に指定した『復讐の本』は2007年5月に静岡県で指定されている。また、子どもを性行為の対象とするコミックを集中的に指定する方針を明らかにした京都府は発表資料の中で「19年1月から現在までの間、「子どもを性行為の対象とするコミック」を指定した都県は4都県4冊」と説明している。「残虐性」を理由にした個別指定の広がりが予想される。

 

4.マスコミ、学者、運動家などは包括指定批判には熱心な場合が多い。だが、個別指定は包括指定と異なり、性表現以外も規制することができ、写真や絵だけでなく文章も規制の対象となる。また、個別指定の基準は包括指定の基準より概括的であり、包括指定の基準に達しない性表現を規制することもできる。マスコミなどがこれらの点を理解できているのか気になるところである。(2007/6/12 07:40)

【関連リンク】

個別指定は包括指定よりも「理想的」なのか

規制強化を招いた規制反対運動

 


<第26期東京都青少年問題協議会の審議スケジュール(案)>

【更新履歴】

1.第1回専門部会で配布された資料「第26期東京都青少年問題協議会専門部会の運営について(案)」をもとに「有害」規制監視隊が作成した。(2004/11/6 18:30)

2.会議の開始時間と第5回専門部会までの会場を追加。青少年問題協議会担当によると、これより後の会議については会場が確定していないという。(2004/11/8 18:50)

3.拡大専門部会までの会場を追加。拡大専門部会では専門部会以外の青少年問題協議会委員を交え、緊急答申「青少年をめぐる社会的諸問題の解決に向けて ―インターネットの有害情報への対応、青少年の性に対する関わり方等について―」(案)の検討が行われる。(2004/12/22 06:20)

▼「第26期東京都青少年問題協議会第6回拡大専門部会について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2004/12/40ech100.htm

4.第2回総会までの会場を追加。第2回総会では緊急答申「青少年をめぐる社会的諸問題の解決に向けて ―インターネットの有害情報への対応、青少年の性に対する関わり方等について―」が東京都に提出される。(2004/1/14 06:30)

【傍聴方法】

 事前の予約などは不要。当日会場へ行けば傍聴することができる。

開催期日

時間

会議の種類

会場

平成16年      
11月2日 午前10時~ 第1回総会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室A
  午前11時30分~ 第1回専門部会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室B
11月8日 午前10時~ 第2回専門部会 都庁第一本庁舎 25階 114会議室
11月15日 午後6時30分~ 第3回専門部会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室C
11月19日 午後6時30分~ 第4回専門部会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室B
11月24日 午後6時30分~ 第5回専門部会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室C
  専門部会終了後 第1回起草委員会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室C
12月13日 午後7時~ 第2回起草委員会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室B
12月17日 午後6時30分~ 第3回起草委員会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室B
12月24日 午後2時~ 拡大専門部会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室A
平成17年      
1月12日 午後6時30分~ 第4回起草委員会 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室B
1月24日 午後2時~ 第2回総会(緊急答申の決定) 都庁第一本庁舎 北側42階 特別会議室A

 主な審議内容は、第3回専門部会が「青少年の性に対する関わり方」、第4回専門部会が「青少年の性に対する関わり方」および「青少年に対する保護者の養育のあり方」、第5回専門部会が「審議内容の総括と補足等について」、第1回起草委員会が「起草委員会の進め方について」および「緊急答申(案)の項目等について」、第2回起草委員会から第4回起草委員会までが「緊急答申(案)の検討」、第2回総会が「緊急答申の決定」である。(2004/11/8 18:50)


【審議会リテラシーを高めるために】

 審議会などの諮問機関における議論を読み解くには、ニュースなどを読み解く「メディアリテラシー」だけでなく、「審議会リテラシー」を高める必要がある。「メディアリテラシー」と「審議会リテラシー」を高めるには次の文献が参考になる。

(1)天野勝文「「取り込まれる」ジャーナリスト」『総合ジャーナリズム研究』第128号(1989年)、46-52頁

(2)天野勝文「「取り込まれる」マスコミ人 全国版」『総合ジャーナリズム研究』第144号(1993年)、72-79頁

(3)天野勝文「政府審議会は記者のウバ捨て山か 記者クラブ同様これも一つの癒着ではないか」『文芸春秋』1993年11月号、296-303頁

(4)天野勝文「新聞人の各種審議会への参加について」新聞労連編『新聞記者を考える』(晩聲社、1994年)、187-211頁

(5)宮本政於『お役所のご法度』(講談社、1995年)

(6)草野厚『日本の論争 ――既得権益の功罪』(東洋経済新報社、1995年)

(7)梅崎正直「官僚の隠れ蓑「諮問機関」のカラクリ」『週刊読売』1996年6月30日号、38-41頁

(8)『朝日新聞』2004年10月18日付朝刊「審議会委員の33%兼職 省庁設置非常勤「4つ以上」が15人」

(2004/11/29 07:00)

 

<H16-1>

 Yahoo!ニュースに2004年9月21日付で掲載された「中学生の「性」条例で規制 東京都、委員会で議論へ」という記事によると、東京都は「保護者らは安易な性行動をさせないよう努めなければならない」といった努力義務を都青少年健全育成条例に設ける構想だという。「青少年の性行動について考える委員会」を9月22日に設置し、議論する方針だという。(2004/9/21 23:20)

▼「中学生の「性」条例で規制 東京都、委員会で議論へ」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040921-00000030-kyodo-soci

▼「第1回「青少年の性行動について考える委員会」の開催について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2004/09/40e9f200.htm

 

<H16-2>

1.『朝日新聞』(東京版)2004年9月25日付「中学生の性交渉条例で禁止せず 知事が表明」という記事によると、石原慎太郎知事は24日の記者会見で、子どもの性行動を条例で直接禁止する考えはないことを明らかにしたという。一定年齢以下の子どもが性交渉をしないように教えることを、保護者らに求める規定を都青少年健全育成条例に盛り込むことが見込まれるという。(2004/9/25 06:45)

 

2.『朝日新聞』2004年10月16日付夕刊「迷惑客引き全面禁止 都内の歓楽街抜け道封じへ 警視庁、条例改正の方針」という記事によると、警視庁は路上での悪質な客引きやスカウトへの規制強化を検討しているという。現行の都青少年健全育成条例では、18歳未満を性風俗店の接客役などにスカウトすることを禁じているが、都迷惑防止条例を12月の都議会で強化し、年齢にかかわらず規制する方針だという。(2004/10/16 20:15)

 

<H16-3>

1.『読売新聞』(東京版)2004年10月19日付「「青少年の性に規範」 副知事 育成条例で検討示唆」という記事によると、東京都の竹花豊副知事は18日、「東京地区マスコミ倫理懇談会」の月例会で講演し、青少年の性行動について、「今後、何らかの規範を創設する必要があるし、可能だとも思う」と述べたという。また、「不健全図書」については、「指定がなくても女性の裸が大部分を占める『グレーゾーン』雑誌も数多くある」と指摘したほか、シール留めに対しては、「(真ん中だけでなく)上下も留めるなど何とかならないでしょうか」と述べたという。(2004/10/19 18:15)

 

2.「シール留め」とは、出版社が幅3センチほどの透明のシールで「成人誌」の表紙と裏表紙をつなぎ、中を見られなくする自主規制である。コンビニ業界の要請を受け、各出版社の判断で行われている。

 横浜市の「有害図書の青少年への販売防止対策検討委員会」では2004年10月5日、シール留めに対して、「青少年には見せないという趣旨が隠れている」などの批判があり、シールに18禁表示をしてはどうか、という意見が出ている。

▼「横浜市 コンビニでの陳列方法が問題に 第3回販売防止対策検討委員会」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2004/38.htm

(2004/10/19 18:15)

 

<H16-4>

 東京都は、青少年の性行動や携帯電話・インターネットの利用などをテーマに、中学生以上の10代の青少年から意見を募集している。意見は、「学年」か「年齢」と「男」か「女」かを記入し、郵便、FAX、電子メールいずれかの方法により提出する。提出先などは次のページで確認することができる。(2004/11/1 18:40)

▼「子どもたちの声が聴きたい! --- 電子メールによる子どもたちの意見募集 ---」

http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/seisyounen/20ieknboshu/ikenboshu.htm

 

<H16-5>

 東京都は2004年11月2日に第26期東京都青少年問題協議会第1回総会の開催を予定している。審議内容は(1)副会長の選任について、(2)諮問事項について、(3)協議会の運営について――の3点。諮問事項には、「インターネット・携帯電話からの有害情報に対する効果的な対策」などが掲げられている。(2004/11/2 07:40)

▼「第26期東京都青少年問題協議会第1回総会について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2004/10/40eaq100.htm

 

<H16-6>

 インターネットの「有害情報」対策などを検討している第26期東京都青少年問題協議会の第1回専門部会が2004年11月2日、都庁で開かれた。会議で配布された資料を「有害」規制監視隊が入手したところ、専門部会が11月中に5回、起草委員会が11月下旬から1月上旬にかけて4回予定されており、12月24日には拡大専門部会、1月24日には総会が開かれることがわかった。総会では緊急答申の決定が行われ、都はこれをもとに青少年条例改定案を作成する見通し。

 都の青少年問題協議会担当によると、第2回専門部会は「インターネット・携帯電話からの有害情報に対する効果的な対策」をテーマに11月8日(月)午前10時から開催される。会場は都庁第一本庁舎25階114会議室。(2004/11/6 18:30)

 

<H16-7>

 『読売新聞』は「中学生の性交渉 法令で歯止めをかけるべきか」をテーマに意見を募集している。条例化をめぐっては、都の「青少年の性行動について考える委員会」が「青少年を保護する立場から『中学生までは性交をすべきでない』という大人の思いが伝わるよう、条例等に規定をするべきという意見が多数の委員からあった」という意見をまとめている。一方、石原慎太郎・東京都知事は「条例で禁止しろなんて、いかがなものか」と慎重な考えを示している。応募方法は、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、下記の宛先へ。

郵便:〒100‐8055 読売新聞社会部「土曜茶論」係

FAX:03‐3217‐8363

電子メール:shakai@yomiuri.co.jp

(2004/11/20 18:40)

 

<H16-8>

 「青少年の性行動について考える委員会」は2004年11月15日に公表した「意見のまとめ」で、「インターネットや雑誌、マンガ、ビデオ等からは、性は楽しい、気持ちいいという性行動を煽るような偏った情報が多く流れている。一方でリスクに関する情報提供は著しく少ない。また、性産業は、青少年をターゲットにして性に関する情報を流したり、青少年の性を商品として扱った情報を流すなど、青少年を性行動へ誘惑する情報が多い」と指摘し、メディア関係者や販売者に次のような要請を行っている。

「メディア(新聞、テレビ、雑誌、ビデオ、インターネット等)においては、情報発信者自らが大人の責任として、性のリスクや性行動をしない等青少年の健全育成に資する情報を発信するとともに、有害情報が容易に青少年の手に入るような現状を解消するよう、できる限り努める必要がある。

 また、雑誌やマンガ等の販売者は、青少年を一消費者として見るだけでなく、青少年を育てていく『責任者』であることを十分に認識して対応する必要がある」

 また、『読売新聞』(東京版)2004年10月19日付「「青少年の性に規範」 副知事 育成条例で検討示唆」という記事によると、竹花豊・東京都副知事は18日、「東京地区マスコミ倫理懇談会」の月例会で講演し、「不健全図書」について、「指定がなくても女性の裸が大部分を占める『グレーゾーン』雑誌も数多くある」と指摘したほか、シール留めに対しては、「(真ん中だけでなく)上下も留めるなど何とかならないでしょうか」と述べたという。

 条例化の是非を議論している東京都青少年問題協議会はインターネット・携帯電話の「有害情報」対策なども検討しており、2005年1月24日にも緊急答申をまとめる予定だ。東京都は、知事が慎重な性交渉禁止の条例化は見送り、代わりに「インターネットや雑誌、マンガ、ビデオ等」の「有害情報」規制を強める考えなのかもしれない。(2004/11/20 18:40)

【関連リンク】

▼「「青少年の性行動について考える委員会 意見のまとめ」について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2004/11/40ebf200.htm

 

<H16-9>

 東京都青少年問題協議会の第5回専門部会が2004年11月24日、都庁で開かれ、これまでの議論の総括審議が行われた。参加者の話によると、「インターネット・携帯電話からの有害情報に対する効果的な対策」については、フィルタリングの利用をめぐって意見が分かれたという。子どもが買うものは原則としてフィルタリングをかけるべき、という積極論がある一方、知らないうちに情報が制限されるのは危険だ、という慎重論もあったという。また、「青少年の性に対する関わり方」については、一部の委員が条例化することでメッセージを送るべき、と主張したのに対し、他の委員からは、効果を疑問視する声や、何もしないで規制するのは本末転倒だとして、教育の充実などを求める意見があったという。(2004/11/25 00:25)

 

<H16-10>

 『読売新聞』2004年11月27日付夕刊「条例で歯止め? 中学生の性交渉」という記事には、「中学生の性交渉 法令で歯止めをかけるべきか」をテーマに、東京都が設置した「青少年の性行動に関する委員会」メンバーや読者からの意見がまとめられている。(2004/11/27 18:00)

 

<H16-11>

1.『朝日新聞』(東京版)2004年12月1日付「有害サイト閲覧自主規制要請へ プロバイダーなどに都」という記事によると、東京都は30日、05年度から都内のプロバイダーやネットカフェに対し、「有害」サイトの閲覧を制限するなどの自主規制を要請する方針を明らかにしたという。(2004/12/1 07:20)

 

2.『毎日新聞』2004年10月6日付「有害情報発信で自主規制要請へ 文科省・ネット業界団体などへ」という記事によると、長崎県佐世保市の事件を受け、文部科学省は5日、インターネット業界団体や携帯電話会社などに対し、「有害情報」の発信などについて実効性のある自主規制を行うよう要請することを決めたという。要請文は6日にも発送されるという。

 

3.東京都青少年問題協議会は「インターネット・携帯電話からの有害情報に対する効果的な対策」などを審議している。「有害」規制監視隊が第5回専門部会(11月24日開催)で配布された「インターネットカフェ運営業者1社からの聴取」という資料を入手したところ、「条例による規制についての意見」という項目があった。この業者はフィルタリングの導入について、「条例化を行ってもよい。業界の健全化となる」と答えている。同協議会は来年1月24日にも緊急答申をまとめる予定。(2004/12/1 07:20)

 

<H16-12>

 インターネットの「有害情報」対策などを検討している第26期東京都青少年問題協議会の拡大専門部会が2004年12月24日、都庁で開かれた。傍聴した方の話によると、答申原案で唯一両論併記となっていた淫行処罰規定の導入について、「本当にこういう処罰が必要かまだまだ議論すべき」という慎重論のほか、「最高裁の判例があるので定義は明確になったが、あたかも(青少年の)性交自体が許されないと伝えられるのは大きな問題。注意が必要だ」「『みだらな性行為』という表現を改めてもう少しこの部分を膨らませ、反対する者が納得するものにした方がよい」などの意見が出たという。こうした指摘を受け、第4回起草委員会では、答申原案の淫行処罰規定に関する部分を読みやすくする、少数意見を拡充する――などを検討することになったという。

 一方、竹花豊・都副知事は、淫行処罰規定よりもインターネット関連の提言を評価し、「これは非常に大きなインパクトのある答申だと思う」「新しい、有効な答申をいただいたと感じている」と述べたという。(2004/12/26 15:35)

 

<H16-13>

 緊急答申「青少年をめぐる社会的諸問題の解決に向けて ―インターネットの有害情報への対応、青少年の性に対する関わり方等について―」(案)を準備している東京都青少年問題協議会の第4回起草委員会が2005年1月12日、都庁で開かれた。傍聴した方の話によると、拡大専門部会での議論を受け、淫行処罰規定の導入をめぐる少数意見の追加が話し合われたという。議論の結果、「青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならないことを罰則を付与し、条例で定める」という提言に続き、次のような少数意見が盛り込まれることになったという。

「しかし、少数意見として『このような他道府県で定める淫行処罰規定については、これまでの青少年問題協議会の意見と同様、青少年の自由な意思決定の尊重、既に児童買春法、児童福祉法などで十分な法規制がされており、その必要性、合理性が認められないこと、これらの法とは二重の規制となり罰則に差が出て、バランスを失すること等の理由から、条例で定めるべきではない。』という意見や、『今後も継続して協議した上で結論を出すべきである。』という意見もあった」

 このほか、用語の一部修正なども行われたという。緊急答申は1月24日の第2回総会で東京都に提出される見通し。(2005/1/15 06:25)

 

<H16-14>

1.東京都青少年育成総合対策推進本部は2005年1月18日、青少年の性行動や携帯電話・インターネットの利用などに関する意見募集の第1回中間報告を発表した。昨年11月1日から12月末までの2ヶ月間で、79件の意見が寄せられたという。主な意見は次のページで確認することができる。なお、意見は引き続き募集するという。(2005/1/19 06:25)

▼「「子どもたちの声が聴きたい!」~電子メールによる意見募集の第1回中間報告について~」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2005/01/60f1i100.htm

 

2.「電子メールによる意見募集」とは別に、東京都青少年育成総合対策推進本部は2004年10月から11月にかけて、都内の中・高校生約2000人に対し、「自分を大切にした行動選択ができる青少年を育てるための意識調査」を実施している。集計結果は2004年11月24日の東京都青少年問題協議会第5回専門部会で配布され、緊急答申(案)にも引用されている。ただし、2004年12月17日の第3回起草委員会では「(選択肢に)バイアスがかかっていたのではないか」という意見が出ている。(2005/1/19 07:00)

 

<H16-15>

 東京都青少年問題協議会は2005年1月24日、第2回総会を開催し、緊急答申「青少年をめぐる社会的諸問題の解決に向けて ―インターネットの有害情報への対応、青少年の性に対する関わり方等について―」を東京都に提出した。傍聴した方の話によると、答申を受け取った竹花豊・都副知事は、「都はこの緊急答申を受けまして、青少年健全育成条例の改正あるいは施策の実施に真剣に取り組んでまいりたい」と述べたという。

写真=質問に答える竹花副知事

 また、会議終了後に竹花副知事の会見が行われ、マスコミからは淫行処罰規定に関する質問が相次いだという。一方、竹花副知事はインターネット関連の提言を評価していたという。(2005/1/24 22:40)

 

<H16-16>

 東京都は第26期東京都青少年問題協議会の緊急答申について意見を募集している。青少協は2004年11月2日、(1)インターネット・携帯電話からの有害情報に対する効果的な対策、(2)青少年の性に対する関わり方、(3)青少年に対する保護者の養育のあり方――の3点について諮問を受け、2005年1月24日に東京都へ緊急答申を提出した。都はこの答申をもとに「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の見直しなど必要な施策を行うこととなる。募集期間は平成16年1月25日(火)~2月7日(月)。緊急答申や提出方法などは次のページで確認することができる。(2005/1/24 23:15)

▼「第26期東京都青少年問題協議会答申及び都民意見の募集について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/BOSHU/2005/01/22f1o100.htm

▼「東京の青少年」

http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9.htm

 

<審議会>

 会議や議事録の公開について検討していた第21期東京都青少年健全育成審議会は2004年12月14日、第537回審議会において、従来通り、「会議は非公開、議事録は委員名を伏字にして公開する」ことを決定した。東京都青少年健全育成審議会の会議資料や議事録は次のページで確認することができる。ただし、第537回審議会の議事録は2月8日現在、まだ掲載されていない。(2005/2/8 07:25)

▼「審議会等」

http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9files/singi.htm

 

<H16-17>

 東京都は2005年2月16日、平成17年第1回定例会に提出する「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(案)を公表した。「有害」規制監視隊が条例案を入手したところ、インターネット対策としては、事業者・保護者らにフィルタリングソフトの利用を求める規定などが設けられていた。(2005/2/17 22:30)

▼「東京都 青少年条例改定案を公表 3月30日に可決の見通し」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/47.htm

 

<H16-18>

 平成17年第一回都議会定例会が2004年2月23日に開会した。石原慎太郎・東京都知事は、青少年健全育成条例改定案について、施政方針演説で次のように語っている。(2005/2/25 06:55)

 次に、青少年の健全育成についてであります。

 都はこれまで、若年者の就労支援など自立の促進や、子ども家庭支援センターの拡充など地域の子育て支援、有害な情報・環境から子どもを守る取組みなど、青少年の健全育成を総合的に推進してまいりました。

 昨年11月、青少年問題協議会に、青少年健全育成条例のあり方について検討するよう諮問しました。十数回に及ぶ活発な議論をもとにいただいた答申を踏まえ、条例を改正いたします。インターネットによる有害情報から子どもを守るための努力を、プロバイダーに義務づけてまいります。また、保護者を含め関係者には、青少年に対して安易な性行動を戒め、慎重な行動を促すよう求めてまいります。青少年に対するみだらな性行動を禁止し、違反した大人には罰則を課すことといたします。

(中略)

 この2年間の取組みを通じて痛感するのは、治安の問題を掘り下げていきますと、青少年の問題に必ず突き当たるということであります。次代を担う青少年を育てるのは、都民の皆さん一人ひとりであります。それぞれの地域で健全育成の取組みをこれからも深めていただきたいと思います。

▼「東京都公式ホームページ/石原知事施政方針/平成17年第一回都議会定例会」

http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/HATSUGEN/SHOUSAI/30f2n100.htm

【関連リンク】

▼「東京都 青少年条例改定案を公表 3月30日に可決の見通し」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/47.htm

 

<ゲーム-1>

 『東京新聞』2005年3月2日付「残虐ゲーム有害指定へ 神奈川県 少年への販売を禁止」という記事によると、神奈川県は残虐な描写が登場するテレビゲームソフトを「有害図書類」に指定する方針を固めたという。1日の県議会委員会で明らかにされたといい、今後は東京都、千葉県、埼玉県にも共同歩調を呼びかけるという。(2005/3/2 07:10)

【関連リンク】

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

 

<ゲーム-2>

 『東京新聞』(東京版)2005年3月5日付25面に掲載された「残虐ゲームソフト規制 「東京都も協力したい」 4日発言」という記事によると、石原慎太郎・東京都知事は4日の記者会見で、神奈川県が残虐なゲームソフトの青少年への販売規制を首都圏サミットで呼びかけることについて、「非常に結構な提案だと思いますね。首都圏サミットでそれが出てくれば、反対する人はいないでしょう」「神奈川県の知事が提唱したことについては賛同を表しますよ。東京都も協力したいけど、どこまでできるかということになると、これは非常に先行き難しい問題があると思います」などと述べたという。(2005/3/5 06:30)

【関連リンク】

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

 

<ゲーム-3>

 TBSテレビ「筑紫哲也NEWS23」2005年3月16日放送分によると、東京都は格闘ゲームや残虐なゲームなどの影響を調査するため、首都大学東京に研究を委託する方針だという。(2005/3/17 06:25)

 

<H16-19>

 東京都議会は2005年3月30日、平成17年第1回定例会に提出されていた「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」を可決した。改定により、事業者・保護者らにフィルタリングソフトの利用を求める努力規定が設けられたほか、青少年の性については、保護者らに慎重な行動を促すための啓発・教育などを、業者に「安易な性行動を助長する情報を提供しないための自主的な取組」を求めるとともに、「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない」という淫行処罰規定が導入された。また、保護者の養育のあり方として、健全育成の責務の自覚と、保護・教育の努力義務なども新設されている。フィルタリングソフトに関する部分は10月1日から、青少年の性と保護者の養育のあり方に関する部分は6月1日から施行される。改定後の条例は次のページで確認することができる。(2005/3/31 06:55)

▼「東京都 青少年条例改定案を公表 3月30日に可決の見通し」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/47.htm

 

<H16-20>

 2005年4月26日発行の『都議会だより』第261号、262号(合併号)に掲載された「可決した主な案件」には、平成17年第1回定例会で一部改定された「東京都青少年の健全な育成に関する条例」について、次のような説明があった。

 青少年の健全育成を図るため、インターネットの利用環境の整備、青少年の性に対するかかわり方、及び青少年の育成に対する保護者の責務を規定するもの。

 この他、「平成17年第1回定例会 各会派等の議案への賛否」によると、都議会議員117人のうち「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の一部改定に賛成したのは、都議会自由民主党(51人)、都議会公明党(21人)、都議会民主党(19人)、友愛(1人)、行革110番(1人)、とうきょう民主(1人)の合計94人。一方、反対したのは、日本共産党東京都議会議員団(15人)、都議会生活者ネットワーク(6人)、自治市民'93(1人)、市民の党(1人)の合計23人。改定後の条例は次のページで確認することができる。(2005/4/26 06:50)

▼「東京都 青少年条例改定案を公表 3月30日に可決の見通し」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/47.htm

 

<H16-21>

 『広報 東京都』第714号2面に掲載された「~大人が責任を持って青少年を保護・育成し、危険から守るために~ 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正」という記事では、3月30日に改定された都青少年健全育成条例の内容が解説されている。(2005/6/1 07:30)

 

<H16-22>

 東京都は「東京子ども応援協議会」の設立総会を2005年6月9日(木)午後1時半から第一本庁舎5階大会議場で開催すると発表した。同協議会の設置は「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が2005年3月に改定され、新たに「都は、都民、区市町村、事業者及び都民又は事業者で構成する団体並びに青少年の健全な育成にかかわる団体と協働して、前項の施策を推進するための体制を整備するものとする」(第4条第2項)と定められたことを受けてのもの。設立総会では条例についての説明なども予定されている。(2005/6/5 07:00)

▼「東京子ども応援協議会」設立総会の開催について

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2005/06/40f61400.htm

 

<H16-23>

1.『日本経済新聞』2005年6月6日付夕刊17面に掲載された「14歳にわいせつ容疑の男を逮捕 改正都条例で初」という記事によると、警視庁少年育成課は6日までに、青少年との性行為を禁じた都青少年健全育成条例違反の疑いで1人を逮捕したという。(2005/6/7 06:10)

 

2.「東京都青少年の健全な育成に関する条例」における青少年に対する性交等の禁止規定は2005年3月に改定され、2005年6月1日から施行されている。改定前および改定後の規定は次のとおり。(2005/6/7 06:20)

改定前

改定後(2005年6月1日施行)

(青少年に対する性交等の禁止)

第18条の3 何人も、性交又は性交類似行為を行うことの周旋(対償の供与又は供与の約束を伴うものを除く。)を受けて、青少年と性交又は性交類似行為を行つてはならない。

(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)

第18条の6 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない。

 

<H16-24>

 『広報 東京都』第715号1面に掲載された「次代を担う子どもたちを応援!! ~伸びゆく力を社会のみんなで支えよう」という記事は、6月に設立された「東京子ども応援協議会」の活動方針など、都が行なっている青少年対策について解説している。(2005/6/30 07:20)

 

<H16-25>

 『毎日新聞』(東京版)2005年7月22日付26面に掲載された「竹花副知事が本出版「子どもたちを救おう」 「有害環境改善のきっかけに」」というインタビュー記事では、『子どもたちを救おう』(幻冬社、2005年)を出版した竹花豊・東京都副知事に出版目的などを尋ねている。

 竹花副知事は同書のなかで、過去に東京都青少年問題協議会の委員を務めていたころから「有害」図書の規制を訴えていたこと、副知事として「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の強化に取り組んだことなどを紹介している。(2005/7/22 06:50)

 

<H16-26>

 子どものインターネット利用に関する保護者・教員向けガイドブックを作成した東京都は2005年7月25日、このガイドブックを都のホームページに掲載した。ガイドブックでは、トラブルの具体例や相談窓口などを紹介するとともに、フィルタリングソフトを利用することや、保護者と子どもの間でルールをつくることなどを呼びかけている。ガイドブックは次のページで確認することができる。(2005/7/26 07:30)

▼「東京都:インターネットガイドブック」

http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9files/netguide/index.html

【関連リンク】

▼「インターネットの有害情報から子どもを守るガイドブックの配布とセミナーの開催について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2005/07/20f74100.htm

 

<H16-27>

1.『日本経済新聞』2005年9月14日付15面に掲載された「ネットカフェ用閲覧制限ソフト デジタルアーツが販売 未成年者に配慮」という記事によると、デジタルアーツは、ネットカフェのレジで会員カードから情報を読み取り、パソコンに自動で閲覧制限を設けるソフトを10月から販売するという。東京都が10月から閲覧制限ソフトの利用を促す青少年条例を施行するため、「専用ソフトの需要が見込めると判断した」のだという。

 

2.東京都とともに神奈川県でも閲覧制限ソフトの利用を促す青少年条例が10月1日から施行される。青少年条例におけるインターネット関連規定は次のページで確認することができる。

▼インターネット関連規定

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/ichiran/internet.htm

 

3.『新聞協会報』は2005年7月19日から4週連続で掲載した「青少年有害情報とメディア」の第1回で政府や自治体によるインターネット対策について報じている。各回の見出し等は次の通り。

<連載「青少年有害情報とメディア」>

(1)『新聞協会報』2005年7月19日付7面「表現の自由と線引きどこに 少ない慎重論 ネット規制条例相次ぐ」

(2)『新聞協会報』2005年7月26日付3面「賛否分かれる法的規制 ゲームや図書めぐり 自治体間で強化・連携進む」

(3)『新聞協会報』2005年8月2日付3面「自主規制と情報教育 各業界の取り組み進む 情報モラル育成も課題」

(4)『新聞協会報』2005年8月9日付3面「どのように報じるか 保護育成と両立目指し 「表現の自由」在り方探れ」

(2005/9/14 07:00)

 

<H16-28>

 『毎日新聞』(東京版)2005年9月22日付26面に掲載された「「子どもを守ろう大作戦」 ネットの有害情報排除に向け、都が会議」という記事によると、フィルタリング機能の提供、利用などを促す都青少年健全育成条例が10月1日から施行されることに伴い、都青少年・治安対策本部などは21日、条例を周知徹底する会議「インターネットの有害情報から子どもを守ろう東京大作戦」を開いたという。会議には警視庁生活安全部長や、インターネット業界、携帯電話会社の代表が出席したという。

 都条例におけるインターネット関連規定は2005年1月の第26期東京都青少年問題協議会答申に基づき、同年3月に導入された。協議会での議論や条例の内容は次のページで確認することができる。なお、神奈川県でもフィルタリングソフトの利用などを促す青少年条例が10月1日から施行される。(2005/9/22 06:30)

▼「東京の青少年」

http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9.htm

 

<H17-1>

 東京都は2005年11月17日、「第26期東京都青少年問題協議会第3回総会」の開催概要を発表した。日時は11月24日(木)午前10時から。会場は東京都庁第一本庁舎33階北側特別会議室N6。問合せ先などは次のページで確認することができる。(2005/11/18 07:20)

▼「第26期東京都青少年問題協議会第3回総会の開催及び諮問について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2005/11/40fbh200.htm

 

<エアガン-1>

1.『日本経済新聞』2005年12月7日付夕刊「エアガン都の有害玩具1号 威力強い型式年内にも指定」という記事によると、東京都は7日、威力の強いエアガンを「有害玩具」に指定する方針を固めたという。近く青少年健全育成審議会に諮問するという。

 

2.1の記事には、エアガンが指定されれば「一九六四年に有害玩具の指定制度ができて以来、今回が指定第一号になる」「東京都以外の道府県はこれまで、バタフライナイフや銃型洋弓(クロスボウ)を有害玩具に指定したが、都はいずれも見送ってきた」とある。バタフライナイフについては、たしかに「有害玩具」(都条例でいう「指定がん具類」)には指定されていないが、「指定刃物」という形で2005年1月25日に指定を受けている。刃物の規制に関する規定は2004年3月の条例改定で導入され、同年6月1日から施行されている。(2005/12/8 07:35)

【関連リンク】

▼「第537回東京都青少年健全育成審議会の答申について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2004/12/40ecf100.htm

▼「東京都「不健全」指定状況一覧」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/sitei/tokyo.htm

 

<エアガン-2>

 エアガンの規制を検討していた東京都は2005年12月16日、東京都青少年健全育成審議会から「不健全ながん具類として指定することが適当である」という答申を得たと発表した。指定理由は「人を殺傷するおそれが高く、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある」。指定の効力は東京都公報に登載されることにより生じる。発表資料は次のページで確認することができる。(2005/12/16 23:30)

▼「第548回東京都青少年健全育成審議会の答申について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2005/12/40fcg100.htm

 

<H17-2>

 第26期東京都青少年問題協議会(後期)の諮問事項や会議日程などがわかった。「有害」規制監視隊が入手した2005年11月24日開催の東京都青少年問題協議会第3回総会の資料によると、諮問内容は「少年院等を出た子どもたちの立ち直りを、地域で支援するための方策について」。2005年12月から翌年4月まで開かれる専門部会で関係機関や保護司などから意見を聴取。再犯防止や社会復帰にむけての方策を審議する。5月から6月の起草委員会で「中間まとめ」案を作成し、6月下旬の拡大専門部会、7月から10月にかけての専門部会、起草委員会を経て「最終答申」案をまとめる。「最終答申」案は2006年10月下旬の第4回総会で決定される予定。なお、専門部会の部会長には前田雅英・首都大学東京都市教養学部長が選ばれている。(2005/12/23 06:10)

 

<エアガン-3>

 「0.135ジュールを超えるもの」という基準で2005年12月にエアガンを指定した東京都について、審査方法などがわかった。東京都青少年健全育成審議会の議事録によると、2005年12月16日の第548回審議会では、威力の異なる3種類のエアガン(0.135ジュール未満、0.5ジュール弱、1.8ジュール)が用意され、空き缶を標的に試射が行われたという。健全育成課長は「0.135ジュールを超えるもの」という基準に関して、業界も「0.135ジュールを超えるもの」を18歳以上対象にしている、「0.135ジュールを超えるもの」として実際に販売されているのは基準ギリギリではなく、0.4ジュールに近い威力がある――などを挙げている。委員からは、他の道府県と指定基準が異なることなどへの質問はあったが、全員(16人)が指定に賛成している。また、エアガンの審査終了後には、委員から一定の威力があるボウガンなども指定すべきではないか、という意見があり、健全育成課長は「今後、売られているがん具類で、子どもが持つにふさわしいかどうかという観点から調査をしていきたい」と答えている。(2006/2/23 07:25)

 

<H16-29>

 東京都は2006年5月24日、都内のパソコンや携帯電話の販売店、まんが喫茶・インターネットカフェを対象とした「フィルタリングに関する実態調査」の調査結果を発表した。調査結果は次のページから確認することができる。

▼「インターネットの有害情報から子どもを守ろう!!~「フィルタリング・サービス」の提供状況について~」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2006/05/60g5o100.htm

(2006/5/29 06:55)

 

<H16-30>

 東京都は販売店などを対象に、フィルタリングサービスの普及にむけた説明会を2006年7月31日(月)に開催すると発表した。東京都では2005年10月1日から、販売店などにフィルタリングサービスの告知・勧奨、提供の努力義務を課す「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が施行されている。一方、2006年5月に都が公表した「フィルタリングに関する実態調査」によると、「インターネットに接続できる機器を販売または貸付けしている」と回答した販売店、インターネットカフェなど191店舗のうち、48.7%がこの規定を知らなかったという。また、パソコン・携帯電話の販売店では46.9%、インターネットカフェなどでは81.0%が告知・勧奨、提供のいずれもしていなかったという。こうした調査結果を受け、都では「家電量販店等を対象とする説明会を開催するなどにより条例の周知・徹底と自主規制事項の遵守を促すとともに、関係団体、事業者等と協力してフィルタリング・サービスの勧奨・提供について販売店等の協力を確保する」という方針を示していた。説明会の開催案内や調査結果は次のページで確認することができる。

▼「インターネットの有害情報から子どもを守ろう!!東京大作戦第2弾 ~携帯電話販売店等に対するフィルタリングサービス普及の協力依頼~」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/07/20g7o500.htm

▼「インターネットの有害情報から子どもを守ろう!!~「フィルタリング・サービス」の提供状況について~」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2006/05/60g5o100.htm

(2006/7/25 07:40)

 

<H17-3>

 東京都は2006年10月16日、第26期東京都青少年問題協議会第4回総会の開催について発表した。第4回総会では、2005年11月に諮問のあった「少年院等を出た子どもたちの立ち直りを、地域で支援するための方策について」に対する答申を加藤諦三副会長(早稲田大学教授)が舟本馨青少年・治安対策本部長に報告するという。日時は2006年10月23日(月)午後3時30分から。会場は東京都庁第二本庁舎31階特別会議室27。問い合わせ先などは次のページで確認することができる。

▼「第26期東京都青少年問題協議会第4回総会の開催及び「答申」について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2006/10/40gag100.htm

(2006/10/17 07:40)

 

<審議会>

 東京都は「不健全図書」の審査などを行う東京都青少年健全育成審議会の第22期委員名簿を発表した。数期にわたって会長を務めていた日本善行会の石﨑富江常務理事が退任し、財団法人緑成会の銅谷勝子理事が会長に就任。また放送倫理・番組向上機構「放送と青少年に関する委員会」の本田和子委員長が委員に選ばれ、東京都地域婦人団体連盟、東京都議会から推薦を受けた委員にも異動があった。委員名簿や過去の会議録などは次のページで確認することができる。

▼審議会等

http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/index9files/singi_set.htm

(2006/11/7 07:40)

 

<警視庁>

1.警視庁と社団法人東京母の会連合会は第44回「親と子の警察展」を開催している。会場は江戸東京博物館1階特設会場(墨田区横網1-4-1)。入場無料で平成18年11月15日(水)から19日(日)まで開かれる。主な内容として「不健全図書類展示コーナー」などがあるという。

▼「「親と子の警察展」開催のお知らせ」

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/oyako/oyako.htm

 

2.『東京新聞』1999年7月26日付「「捜査現場無視」募るいら立ち 警視庁の「完全自殺マニュアル」通報」という記事によると、警視庁は過去5年間に年間604~1182冊の図書を「不健全」指定するよう東京都に通報し、このうち9~20冊が実際に指定されたという。なお、「不健全図書」の審査などを行う東京都青少年健全育成審議会には、警視庁と東京母の会連合会から委員が選ばれている。同審議会の委員名簿や過去の会議録などは次のページで確認することができる。

▼審議会等

http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/index9files/singi_set.htm

(2006/11/17 07:25)

 

<イベント案内>

 フィルタリングの普及・啓発を推進している東京都は携帯電話業界と共同で「携帯電話の有害情報から子どもを守ろう!大作戦」を2007年3月30日(金)と31日(土)に実施する。会場は新宿駅西口広場イベントコーナー。都の発表によると、フィルタリングサービスに関する相談会や子ども向け携帯電話の展示、フィルタリングに関するアンケート調査などを実施するという。詳しい日時などは次のページで確認することができる。

▼「携帯電話の有害情報から子どもを守ろう!大作戦の実施」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/EVENT/2007/03/21h3m300.htm

(2007/3/29 07:40)

 

関連リンク】

▼「第26期東京都青少年問題協議会第1回総会について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2004/10/40eaq100.htm

▼「東京都 2月都議会での条例改定を視野 青少年問題協議会第1回総会」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2004/40.htm

▼「東京都 1月24日に緊急答申を決定か 第1回専門部会」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2004/41.htm<

▼「東京都 他府県の動きが明らかに 第2回専門部会」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2004/42.htm

▼「東京都 青少年の意識調査を実施 第5回専門部会」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2004/45.htm

▼「東京都 青少年条例改定案を公表 3月30日に可決の見通し」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/47.htm>

【関連資料】

1.条例改定までの軌跡(平成13年3月改定)

 東京都は平成13年(2001年)3月にも青少年条例を改定している。この時は「不健全」図書の指定事由に「自殺」「犯罪」が追加された。

2.条例改定までの軌跡(平成16年3月改定)

 平成16年(2004年)3月には、「不健全」図書規制の強化や深夜立入制限施設の追加、生セラ・スカウト規制の新設などが行われた。

3.東京都「不健全」指定状況一覧


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