■「有害」規制法案・条例の状況

 

ゲームソフトの「有害」指定(2006年前半)

2005年前半 2005年後半 2006年前半 2006年後半


<東京都-13>

1.『広報東京都』2006年1月1日付4面に掲載された「子どもの健全な育成のためにエアガンを有害がん具に指定しました」という記事では、人を殺すなどの暴力的なテレビゲームについて、「子どもへの影響が懸念されています」「子どもが簡単に購入できるのが実情」などと説明。東京都ではこの状況を改善するために、「テレビゲームと子どもに関する協議会」を開催し、暴力的なテレビゲームの問題などを検討・協議していると伝えている。

2.2005年10月の第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」では、東京都の青少年・治安対策本部長が「近時の少年による特異、重大事件のなかには、残虐なシーンのあるテレビゲームの影響を受けた可能性があるといった報道がなされるなど、そうした事件の背景要因としてテレビゲームによる影響の可能性を指摘する声があるのも事実」と述べている。

 また、神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、瀬戸純一・毎日新聞社論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、包括指定を導入するより、個別指定を強化すべきだと主張していた(個別指定は包括指定と異なり、性表現に限らず様々な表現を規制することができる)。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。

 ゲームソフトの規制を誘発・助長したマスコミが、今後どのような報道を行うのか注目される。(2006/1/4 06:20)

 

<宮城県-1>

 宮城県が発表した平成17年度第2回宮城県青少年問題協議会の会議録によると、浅野史郎・宮城県知事(当時)は2005年10月19日、残虐性のあるゲームソフトについて、「私も先日、見させていただきました。生まれて初めての経験でしたが、こんなことが行われているのかと、ただ驚くばかりでしたが、こういったことも、残虐な青少年、青少年に限らないと思いますが、犯罪、非行につながっている面も、ないことはないだろうと、新しい問題提起だと思っています」と感想を語った。また、全国知事会での取り組み状況を報告し、「条例に基づいて審査団体を指定して、有害ゲームソフトの規制ということまで持っていけないかというのが今の検討中の内容でございます」などと述べている。会議録は次のページで確認することができる。(2006/1/12 06:15)

▼宮城県青少年問題協議会

http://www.pref.miyagi.jp/seisyo/kyougikai/index.htm

 

<茨城県-2>

 常井洋治委員(民主清新クラブ)は2005年10月13日、茨城県議会総務企画常任委員会において、神奈川県や埼玉県が個別指定したゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」を取り上げ、「審議会の手続を早めて、早急にそういうものを指定してやっていくべきではないか」と質した。これに対し、女性青少年課長は「現行条例の上で有害指定図書という指定は可能でございますので、その指定に向けた要件の検討を行っております」「できるだけ早い時期にその要件を定めて、指定に向けた手続に入っていきたい」と答えている。茨城県議会の会議録は次のページで確認することができる。(2006/1/12 06:15)

▼茨城県議会

http://www.pref.ibaraki.jp/gikai/

 

<八都県市(4都県)-2>

1.『日本経済新聞』2006年1月11日付39面に掲載された「ゲーム規制で連携へ 4都県」という記事によると、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県は10日、残虐なゲームソフトの規制について統一基準を作ることを決めたという。検討委員会を設置して内容を詰めていくという。

2.『日本経済新聞』(神奈川版)2005年8月5日付35面に掲載された「ゲームソフト規制じわり 首都圏に拡大へ」という記事には、神奈川県は「秋の首都圏サミットで共通ルールの導入を提案する。事務局が水面下で調整を進めている」とある。この「共通ルール」が1の統一基準のことなのかもしれない。

3.2005年3月1日の神奈川県議会県民企業常任委員会において、北井宏昭委員(民主党・かながわクラブ)からゲームソフトの規制について質問を受けた青少年課長は、「1県だけで指定をしても、隣の県に行けば買えるという状態では全く意味がございません」と述べ、「やはり八都県市、特に東京、千葉、埼玉の近隣都県の方には、是非足並みをそろえていただくように、八都県市で青少年所管課の会議等もございますので、そういった場を通じていきたい」と規制の共通化・広域化に意欲をみせていた。その後、松沢成文・神奈川県知事は2005年5月31日の定例記者会見で、「(5月30日に開かれた八都県市青少年行政主管課長会議において)神奈川県の方からこの残虐物のゲームソフトを規制対象にすると、ぜひとも、共同歩調を取っていただきたいという提案をいたしまして、メンバーの八都県市の皆さんからご賛同をいただきました」と報告している。なお、松沢知事は2005年3月2日や5月25日の定例記者会見でも、ゲームソフトの規制を首都圏で共通化したい考えを示していた。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2006/1/12 06:25)

▼「定例記者会見(2005.3.2)結果概要」

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050302.htm

▼「定例記者会見(2005.5.25)結果概要」

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050525.htm

▼「定例記者会見(2005.5.31)結果概要」

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050531.htm

 

<八都県市(4都県)-3>

1.松沢成文・神奈川県知事は2006年1月11日の定例記者会見で、10日の4都県知事懇談会の席上、「今後、大量に流通するゲームソフトの中から、残虐性を有し、有害図書類の指定対象となり得るゲームソフトについて、4都県で合同の検討委員会をつくって、選定の基準作りや、試買を共同で行っていくこと」を提案し、合意を得たと発表した。「4都県では、この共同の選定作業に基づき、対象となった家庭用ゲームソフトを最終的には各都県の審議会、神奈川県で言いますと、児童福祉審議会に諮問すること」になるという。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2006/1/13 07:30)

▼「定例記者会見(2006.1.11)結果概要」

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/060111.htm

2.神奈川県は2005年5月30日、県児童福祉審議会社会環境部会にゲームソフトを個別指定すべきか諮問したさい、「諮問の対象のゲームソフトについて」という資料を配布している。資料には、「諮問対象を一定の基準により選定するために、次の2要件に該当するゲームソフトを諮問対象としました」とあり、試買のための「サンプル要件」と、諮問のための「現実性要件」がそれぞれ3項目ずつ掲げられている。なお、「サンプル要件」の1つには、「青少年の健全育成の観点から懸念される内容として、新聞等により近年話題となったもの」という項目がある。

3.内容は若干異なるものの同様の選定要領は、埼玉県がゲームソフトを個別指定すべきか諮問した2005年9月9日の県青少年健全育成審議会でも配布されている。一方、千葉県がゲームソフトを個別指定すべきか諮問した2005年11月17日の県青少年問題協議会指導育成部会では、こうした選定要領は配布されていない。(2006/1/16 07:20)

 

<東京都-14>

 東京都は2006年2月10日、第3回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催概要を発表した。日時は2006年2月17日(金)の午後4時から。会場は都庁第一本庁舎33階特別会議室S6。問い合わせ先などは次のページで確認することができる。

▼「第3回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催について」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2006/02/40g2a100.htm

 2005年10月19日の第1回協議会では、東京都がテレビゲーム業界に対し、「家庭用テレビゲームについて、条例第9条の2の「表示図書類」としての表示を付す」ことなどを提案。同年12月1日の第2回協議会では、ソフトの格付けを担当しているNPO法人のCEROが、従来の年齢別の表記にかえ、「A」「B」「C」「D」「Z」という新区分を2006年2月から実施すると発表し、業界団体のCESAは「Z」の区分を「18歳未満販売禁止」にする方針を示している。これに対し東京都からは、「D」と「Z」の境界や、従来のレーティングとの対応関係などについて質問が出ていた。(2006/2/11 07:45)

 

<テレビゲーム業界-10>

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2006年2月17日、都庁で開かれた第3回「テレビゲームと子どもに関する協議会」において、年齢別レーティング制度の変更と、新たに取り組む販売自主規制の内容を説明した(以下、会議資料や傍聴人のメモを元に作成)。

 第2回協議会でNPO法人のCEROから示されていた「A」「B」「C」「D」「Z」という新区分には、それぞれ「全年齢対象」「12才以上対象」「15才以上対象」「17才以上対象」「18才以上のみ対象」と対象年齢が併記されることになり、現在「18才以上対象」とされているソフトは再審査されるという。これについてCESAの副会長は、「従前の『18才以上対象』というのが『17才以上対象』『18才以上のみ対象』に分かれる」と述べるとともに、「『18才以上対象』にも上限がある。一定レベル以上を超えたものは、そもそも『18才以上対象』という表記もされない。今回のA~Z区分においても、Zの上限に関してまったく同じ禁止表現というのを設定している」と説明した。CESAでは「Z(18才以上のみ対象)」区分を18歳未満販売禁止にするよう各販売店に働きかけていくという。会議終了後に配られた報道関係資料はCESAホームページで確認することができる。(2006/2/20 07:40)

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

 

<八都県市(4都県)-4>

1.4都県が共同してゲームソフト規制について取り組むことになったのを受け、2006年2月17日に開かれた第3回「テレビゲームと子どもに関する協議会」には他県の職員も出席していた(以下、会議資料や傍聴者のメモをもとに作成)。東京都の青少年・治安対策本部長は冒頭のあいさつで、「先月10日に4都県知事懇談会において、暴力的シーンを含むゲームソフトの問題に4都県が協力して取り組んでいくこととされたところであります。そのことを受け、本日の協議会には神奈川、埼玉、千葉の各県の担当者の方にオブザーバーとしてご参加をいただいている」と発言。各県の担当者は座席表にも記載されていた。出席者は、神奈川県=青少年課主事、埼玉県=青少年課主査、千葉県=県民生活課主査。ただ、協議会での発言はなく、共同取組に関する話しも出ていない。

2.過去の協議会には、文部科学省や大阪府の職員が来ていたという情報もあるが、座席表には記載されていない。(2006/2/27 07:10)

 

<福岡県-1>

1.西日本新聞ホームページに掲載された記事などによると、県児童福祉審議会は2006年2月24日、家庭用ゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」と「グランド・セフト・オート・バイスシティ」を「有害図書類」に指定するよう答申したという。「Ⅲ」は神奈川県などで、「バイスシティ」は京都府で既に指定されている。

2.堀宏行議員(緑友会・新風)は2005年9月28日、福岡県議会において、神奈川県によるゲームソフト規制の動きを挙げ、「本県では粗暴性や残虐性の強いゲームソフトに対してどのような対策を行っていくのでしょうか」と質問。これに対し、麻生渡知事は「この種のゲームソフトの規制の方策とその導入について検討をしてまいります」と答えていた。(2006/2/27 07:05)

 

<茨城県-3>

1.『茨城新聞』2006年2月27日付1面に掲載された「ゲームソフトを「有害」指定 県青少年条例で初」という記事によると、県青少年健全育成審議会の答申を受けた茨城県は近日中にゲームソフト「グランド・セフト・オート3」の「有害」指定を告示するという。

2.1の記事には、「「グランド・セフト・オート3」をめぐっては昨年六月、神奈川県が全国で初めて有害図書に指定したのを皮切りに、これまでに埼玉県や千葉県、京都府でも指定に踏み切っている。本県の指定は全国五例目になる」とある。ここには2月中に指定を決めた福岡県が含まれていないほか、福岡県以外で指定した県があるという情報もある。詳細は現在調査中。(2006/3/1 07:20)

 

<千葉県-4>

1.千葉県はゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」の個別指定について審議した千葉県青少年問題協議会指導育成部会の議事録をホームページで公開している。議事録や委員名簿は千葉県環境生活部県民生活課ホームページから確認することができる。ただ、会議資料は掲載されていない。

▼千葉県環境生活部県民生活課

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kenmin/index.html

2.「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(平成11年4月27日閣議決定)では、「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とあるほか、議事録等を「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワークへの掲載に努めるものとする」と、具体的な公開方法まで示されている。

 また、総務副大臣主宰の「情報公開法の制度運営に関する検討会」は2005年3月にまとめた報告書で、「審議会等及び行政運営上の懇談会等については、各行政機関において、今後とも、その議事内容を始めとして情報提供の充実を図る必要がある」と指摘している。

3.いくつかの府県では、インターネットを利用した審議会等に関する「情報提供の充実」が進みつつある。たとえば三重県は2005年8月から県青少年健全育成審議会の議事要旨を県ホームページで公開。大阪府は2004年から青少年問題協議会の会議要旨に加え、資料や特別委員会の会議要旨も府ホームページで公開している。一方、いまだに議事要旨さえ公開していない県も多い。

 今後、より一層「情報提供の充実」が進み、審議会等の透明性が高まることを期待したい。(2006/3/3 07:40)

 

<福岡県-2>

 福岡県は2006年3月3日、ゲームソフト2本の「有害」指定を告示した。指定されたのは「グランド・セフト・オートⅢ」と「グランド・セフト・オート・バイスシティ」の2本。指定理由は「青少年の残虐性を著しく助長し、又は青少年の非行を誘発し、若しくは助長し、その健全な育成を阻害するおそれがある」。(2006/3/4 07:00)

▼「家庭用ゲームソフトを「有害図書類」に指定」

http://www.pref.fukuoka.lg.jp/wbase.nsf/78a1f774912b7a564925708c0035d037/c34b4bc66a3f840249257122002932dc?OpenDocument

 

<長崎県-1>

1.長崎県は2006年2月24日、ゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」の「有害」指定を告示した。県ホームページには学校や保護者に対する通知文も掲載されている。

▼「家庭用ゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」の有害図書類への指定について」

http://www.pref.nagasaki.jp/edu/info/yuugaitosho/index.html

2.『長崎新聞』2006年2月14日付28面に掲載された「グランド・セフト・オートⅢ 18歳未満販売禁止へ 県、ゲームソフトで判断」という記事によると、長崎県は業界側の自主規制が強化された場合、「十八歳未満禁止に区分されたソフトすべてを自動的に有害図書類とする「包括指定」が適用できる」が、現在はこの区分がないので個別指定したという。

3.業界団体の区分を「有害」指定に反映させる方法は「団体指定」である。いわゆる「包括指定」は一定の基準に達した性表現を指定対象とするものであり、18禁表示の有無とは関係がない。なお、「個別指定」の場合は性表現に限らず、様々な表現を規制することができる。

4.神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、瀬戸純一・毎日新聞社論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、包括指定を導入するより、個別指定を強化すべきだと主張していた。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。(2006/3/5 07:40)

 

<茨城県-4>

1.茨城県は2006年3月6日、ゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」の「有害」指定を告示した。

 「有害」規制監視隊が2006年3月7日までに確認できた範囲では、「グランド・セフト・オートⅢ」は神奈川県(2005年6月)、埼玉県(2005年9月)、千葉県(2005年12月)、京都府(2005年12月)、長崎県(2006年2月)、福岡県(2006年3月)、茨城県(2006年3月)の7府県で指定されている。また、続編の「グランド・セフト・オート・バイスシティ」は京都府(2005年12月)と福岡県(2006年3月)の2府県で指定されている。

2.茨城県は同日付けで『多重人格探偵サイコ』1~5巻など、図書11冊の「有害」指定も告示している。(2006/3/7 07:35)

 

<経団連-1>

1.『東京新聞』2006年3月9日付6面に掲載された「ニート増加『残虐ゲームも原因』 経団連、チェック体制検討」という記事によると、日本経団連の奥田碩会長は8日の記者会見で、「ゲームソフトで残虐なシーンを見て、社会に適応できなくなったのなら、そのようなソフトをつくるのは問題だ」との認識を示し、ソフト・コンテンツ部会で具体的な対応策を検討していることを明らかにしたという。

2.坂元章「10代の青少年と電子メディア ―心と体への影響―」『学術の動向』第6巻第9号(2001年)には、社会的不適応を含め、電子メディアの影響研究について解説されている。(2006/3/9 07:40)

 

<鳥取県-1>

 鳥取県が発表した平成17年度第2回有害図書類指定審査会の会議録によると、2005年10月28日の会合では、他県で指定されているゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」を閲覧したという。非公開で行われた意見交換の結果、「他県の状況を見て、先走ってもいけず、遅れてもいけないので、様子を見ながら的確に対応したい」という方針が確認されたという。(2006/3/17 06:15)

 

<大分県-1>

 大分県が発表した平成17年度第2回大分県青少年健全育成審議会の議事要旨によると、2005年12月1日の会合では、「有害ゲームソフトに対する対応状況」について事務局が説明したという。(2006/3/17 06:15)

 

<香川県-1>

 『四国新聞』2006年2月18日付33面に掲載された「青少年の非行防げ 県や警察 業界団体 活動推進申し合わせ 県庁で検討会」という記事によると、香川県や警察、業界団体は17日、「青少年を取り巻く環境を考える会」を開催したという。県からは、「ゲーム販売店に対して、残虐なシーンが含まれるゲームソフトの十八歳未満への販売自粛」が要請されたという。開催案内は次のページで確認することができる。(2006/3/17 06:15)

▼「報道発表資料 青少年を取り巻く環境を考える会開催」

http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=13773

 

<東京都-15>

 東京都青少年健全育成審議会の議事録によると、2005年12月16日に開かれた第548回審議会で東京都は、第2回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催結果を報告している。健全育成課長は協議会で業界関係団体から示された対応策について、「不十分ではないか、また、実施に問題があるといった意見も寄せられたことから、この件につきましては、再度、業界団体のほうで新しい対応について現在検討中でございまして、今、その業界団体からの回答を待っている段階でございます」と説明している。(2006/3/24 06:25)

 

<静岡県-1>

1.『静岡新聞』2006年2月25日付29面に掲載された「県青少年環境条例 有害図書類の指定拡大へ 審議会同意 県、9月改正へ」という記事によると、静岡県青少年環境整備審議会は24日、「有害図書類等」の定義に「犯罪」と「自殺」を加えるなどの「県青少年のための良好な環境整備に関する条例」改定案に同意したという。また、「有害ゲームソフトについて、内容のチェックなど認定方法を具体的に定めること」を決めたという。

2.1の記事からは「認定方法」が何を意味するのか判断できない。ただ、ゲームソフトへの規制強化として、近隣の愛知県は2005年3月に団体指定方式を導入。神奈川県は2005年6月にゲームソフト1本を個別指定している。現行の「静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例」には団体指定方式が規定されておらず、今回の規制強化で同方式が導入されないとすれば、個別指定に関する審査方法などを指しているものと思われる。(2006/3/24 06:35)

 

<3府県-1>

1.『神戸新聞』2005年4月19日付27面に掲載された「京阪神知事懇談会 3知事で訪中実現へ」という記事によると、18日に開かれた第2回京阪神三府県知事懇談会で太田房江大阪府知事は、「有害図書」・ゲームソフトの規制など青少年条例について、「大阪で規制しても京都や神戸で購入できれば意味がない」と指摘し、規制項目や基準の統一化を検討することになったという。

2.山田啓二京都府知事は2005年10月14日の記者会見で、家庭用ゲームソフトへの対応策として、団体指定を導入する予定の大阪府・兵庫県と協議をすすめ、「できる限り有害図書についての実効ある規制を3府県共同で行なってまいりたい」という方針を示している。その後、大阪府は10月、兵庫県は12月に団体指定を導入している。記者会見の内容などは次のページで確認することができる。(2006/3/24 06:45)

▼「平成17年10月14日」

http://www.pref.kyoto.jp/koho/kaiken/kaiken2005/051014.html

▼「平成17年10月14日知事会見項目」

http://www.pref.kyoto.jp/koho/kaiken/kaiken2005/051014/051014-koumoku03.html

 

<映像コンテンツ倫理連絡会議(仮称)-1>

1.『読売新聞』2006年3月29日付2面に掲載された「映画、ゲームの暴力、性表現 年齢制限に統一基準 策定へ来月にも連絡会」という記事によると、映倫管理委員会や日本ビデオ倫理協会など成人向け作品の審査機関5団体と経済産業省などは、「18禁」区分の統一基準策定を検討する「映像コンテンツ倫理連絡会議」(仮称)を発足させるという。

▼「映画やゲームの暴力・性表現、年齢制限に統一基準策定」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060329i501.htm

2.いくつかの府県では、知事の指定した業界団体が青少年に不適当とした図書類を「有害図書類」とみなす団体指定方式を導入している。この規定により、たとえば大阪府は2005年12月に「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)、「コンピュータソフトウェア倫理機構」(ソフ倫)、「コンテンツ・ソフト協同組合」、「全日本ビデオ倫理審査会」の4団体を指定し、徳島県は2006年2月にビデ倫とソフ倫の2団体を指定している。

3.家庭用ゲームソフトについては、特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)がソフトの格付けを行っている。CEROは2006年3月1日以降受付の審査から「18才以上のみ対象」区分を設けることなどを発表しているが、「他団体等のいわゆる「18禁」に相当するソフトには、これまでと同様、レーティングを与えないことに変わりありません」(「レーティング制度の趣旨と改訂について」より)という。また、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は「Z(18才以上のみ対象)」区分を18歳未満販売禁止にするよう各販売店に働きかけていく方針を示している。CEROやCESAが発表した報道関係資料は各団体のホームページで確認することができる。

特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

(2006/3/29 07:40)

 

<映像コンテンツ倫理連絡会議(仮称)-2>

 松沢成文・神奈川県知事は2006年3月29日の定例記者会見で、成人向け作品の審査機関5団体と経済産業省が「18禁」の統一基準策定を検討する連絡会議を4月に発足させるとの報道について、「神奈川県の提案が全国知事会に波及しまして、こうした全国知事会からの業界団体への強い要望の取組の成果として、今回、業界と国とのこのような動きにつながったと考えておりまして、私たちとしては歓迎をしております」と感想を語っている。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。

▼「定例記者会見(2006年3月29日)結果概要」

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/h17/060329.html

 

<長崎県-2>

1.長崎県は2006年3月31日、ゲームソフトの規制などを審議した平成17年度第3回長崎県少年保護育成審議会の会議結果を県ホームページに掲載した。これによると2月13日の第3回審議会では、団体指定の適用やゲームソフトの個別指定について審議したという。団体指定については、ゲーム業界が「18歳未満販売禁止」のレーティングを設けた段階で指定することを確認。個別指定については、「グランド・セフト・オートⅢ」などゲームソフト6本が審査されている。各委員の発言を受けた事務局は、「基本的には社会の啓発、と申しましょうか業界への意志表示、そして家庭への啓発という部分も含め、確かに6本ともそれぞれに残虐性等があるとおっしゃる意見もありますが、基本的には、最も激しい描写があると思われる6番のグランド・セフト・オートⅢ、これに関しては有害指定をすべき」との考えを示し、これに沿う形で「グランド・セフト・オートⅢ」の「有害」指定が決まっている。会議結果は次のページで確認することができる。

▼「長崎県ホームページ:審議会」

http://www.pref.nagasaki.jp/singi/index.html

(2006/4/3 07:40)

2.1の会議結果によれば、長崎県の審議会はゲームソフト「グランド・セフト・オート・バイスシティ」を審査したものの、指定は見送っている。一方、京都府は2005年12月に、福岡県は2006年3月に同ソフトを個別指定している。条例の内容がほぼ同じであるにもかかわらず、こうした違いが生じた理由としては、(1)個別指定の定義が著しく概括的であること、(2)上映された場面が異なること、(3)事務局の説明が異なる印象を与えたこと――などが考えられる。いずれにせよ、審議の進め方によって個別指定をコントロールできる可能性がある。

3.個別指定は包括指定と異なり、性表現に限らず、暴力や犯罪、さらには自殺に関する表現なども規制でき、写真や絵だけでなく、文章も規制対象となる。また、分量による基準はなく、包括指定の基準に達しない図書類を指定することも可能である。

4.神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、毎日新聞社の瀬戸純一論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、包括指定を導入するより、個別指定を強化すべきだと主張していた。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。(2006/4/6 06:15)

 

<警察庁―1>

1.『東京新聞』2006年4月6日付夕刊10面に掲載された「有害情報議論 研究会発足へ 警察庁」という記事によると、警察庁はインターネットやゲームなどの性や暴力の情報について、子どもに与える影響や改善策を探る研究会を10日に発足させるという。「将来的な法規制も視野に入れる」という。研究会のメンバーは竹花豊・警察庁生活安全局長ら15人だという。

2.『中国新聞』2003年12月7日付11面に掲載された「治安再生住民とともに」という記事によると、竹花局長は1973年に警察庁入庁。広島県警本部長などを経て、2003年6月に治安対策担当の東京都副知事に就任したという。副知事としては青少年条例の強化などを進めた実績がある。

3.「テレビゲームと子どもに関する協議会」の会長としてゲームソフト業界に自主規制強化を求めた舟本馨・東京都青少年治安対策本部長も警察庁出身である。『都政新報』2005年4月22日付10面に掲載された「都で治安対策の陣頭指揮」という記事によると、舟本本部長は1979年警察庁入庁。佐賀県警本部長、警察庁刑事局捜査第二課長などを歴任したという。(2006/4/6 19:00)

 

<佐賀県-1>

 佐賀県が県ホームページに掲載した2005年12月13日の佐賀県青少年健全育成審議会(全体会)の会議資料「(資料4)佐賀県青少年健全育成審議会(部会)開催実績」によると、「暴力的な表現を含むゲームソフトが青少年に悪影響を与えることが懸念されており、神奈川県等でゲームソフトの有害指定を行ったことから、本県での規制について検討を行っている」という。一方、「(資料3)全国の青少年健全育成条例に係る動きについて」には、「年間千本を超える新たなゲームソフト全てをチェックすることは、ゲームソフトの特殊性から、時間的、費用的、技術的な面で非常に困難」とあり、「今後、業界団体の自主規制の推移をみながら、団体指定について検討していくことが必要」としている。審議会の概要や会議結果、資料は次のページから確認することができる

▼「審議会の概要」

http://www.pref.saga.jp/kenseijoho/shingikai/gaiyou_list.php

▼「審議会等の会議結果」

http://www.pref.saga.jp/kenseijoho/shingikai/result_list.php

(2006/4/19 06:35)

 

<京都府-7>

 京都府は2006年3月27日に開催された京都府青少年健全育成審議会の議事要旨を府ホームページに掲載した。これによると27日に開かれた営業対策部会では、「次回の営業対策部会で具体的な団体の指定を検討すること」になり、「各団体の相違点を明確にし、また、審査基準等について健全育成条例の趣旨との整合性に問題がないか精査する必要がある」という意見があったという。議事要旨は次のページから確認することができる。

▼京都府青少年健全育成審議会

http://www.pref.kyoto.jp/shingikai/gaiyou/seisyo-01/index.html

(2006/4/14 07:40)

 

<映像コンテンツ倫理連絡会議(仮称)-3>

1.「青少年の健全な育成のためのコンテンツ流通研究会」(座長:佐々木輝美国際基督大学教授)を開催し、今後の対応の方向性などを検討していた経済産業省は2006年4月18日、同研究会の報告書を発表した。報告書では、国や地方自治体、事業者による取り組みの現状と課題を整理し、海外の事例も紹介。具体的な取り組みを提言している。

 事業者に対しては、レーティング機関が「18禁」コンテンツであるか否かを明確にすることや、販売時の年齢確認を徹底すること、業界横断的な「映像コンテンツ倫理連絡会議」(仮称)を設置し、審査基準を調和させることなどを提言。地方自治体には、「有害」指定の基準明確化や審査会の透明性確保に努めるとともに、事業者との連携・協力の強化などを、国にはITリテラシーの向上支援などを求めた。また、国や地方自治体も「映像コンテンツ倫理連絡会議」(仮称)に参画し、取り組みの進捗状況をフォローアップすべきだとした。この報告書や研究会の議事要旨は次のページから確認することができる。

▼「青少年の健全な育成のためのコンテンツ流通研究会報告書について」

http://www.meti.go.jp/press/20060418003/20060418003.html

▼「審議会・研究会」

http://www.meti.go.jp/committee/index.html

※2006年4月20日の時点では第1回分のみ掲載されている。「商務情報政策局」の項目を参照。

2.報告書の2-3頁には「有害」指定の方法がまとめられている。この部分は「有害」規制監視隊ホームページの「有害」規制に関する用語集を参考にしたのではないかと思われる。現在の用語集でも大きな誤りはないと考えるが、説明が冗長であったり、曖昧な部分や用語が統一されていない箇所などがある。内容を信頼して参考にされたのであれば申し訳ないという思いがある。(2006/4/21 07:10)

 

<愛知県-4>

 愛知県は2006年4月25日、愛知県青少年保護育成条例に定める団体指定の規定に基づき、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)を指定した。この指定により、2006年5月31日からは「Z 18才以上のみ対象」と表示されたゲームソフトはすべて「有害図書類」とみなされる。(2006/5/3 07:40)

【関連リンク】

▼「家庭用ゲームソフトの有害図書類の団体指定について」

http://www.pref.aichi.jp/syakaikatsudo/dataishitei.pdf

※PDFファイル(46KB)

 

<ゲーム産業戦略研究会-1>

1.経済産業省は2006年4月26日に開催された第1回「ゲーム産業戦略研究会」の配布資料をホームページに掲載した。この資料によると、同研究会は、国際競争の激化や地方自治体による規制の動きなどを踏まえ、「ゲーム産業を巡る現状について正確に把握・分析するとともに、官民が取り組むべき今後の課題について検討」し、7月中を目途に「ゲーム産業戦略」を取りまとめるという。健全育成関係では、実効性ある自主的対策の在り方について検討する。研究会は非公開。ただ、議事要旨は公開されるという。研究会の配布資料は次のページから確認することができる。

▼「審議会・研究会」

http://www.meti.go.jp/committee/index.html

2.資料4-1 「ゲーム産業の現状と展望」には、「レーティングに関するユーザー・販売店アンケート」が紹介されている。これによると、ユーザー1000人のうち、購入のさいに「年齢別レーティング制度」を参考にしていると回答したのは15.4%だったという。また、販売店120店のうち、年齢区分に応じた陳列をしているのは27%、「18歳以上対象」ソフトの販売時に何らかの年齢確認をしているのは62.2%だったという。また、「18禁」区分導入後の対応については、「完全に別陳列」が19.7%、「シールなどを貼って18禁が分かるようにする」が62.1%、「18禁ソフトは仕入れない」という回答も1.5%あったという。

3.2のユーザーを対象とした調査については、回答者の属性が不明である。購入のさいに「年齢別レーティング制度」を参考にする必要性があるのは、青少年自身あるいは青少年のために購入する保護者である。18歳以上の人物が自分で遊ぶことを目的に購入する場合、レーティングを参考にする必要があるのだろうか。回答者の属性が明らかにされず、また、青少年のために購入する場合などを考慮していなかったとすれば、この調査はあまり意味がないと思われる。(2006/5/12 07:40)

 

<八都県市(4都県)-5>

1.上田清司・埼玉県知事は2006年5月9日の定例記者会見で、15日の八都県市首脳会議(首都圏サミット)では、テレビゲームやビデオなどの影響研究に共同で取り組むよう提案する考えを明らかにした。埼玉県は2005年9月、残虐性を理由にゲームソフト1本を「有害」指定しているが、「もっと低いレベルでですね影響を与えているということがわかれば、そういったところまでレベルを下げる可能性もある」と述べ、研究の成果によってはさらなる規制が必要との認識を示した。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。

▼「埼玉県/知事記者会見テキスト版(平成18年5月9日)」

http://www.pref.saitama.lg.jp/room/kaiken/text060509.html

(2006/5/13 07:40)

2.知事の発言にある『脳内汚染』の著者、岡田尊司氏は京都医療少年院に勤務する精神科医である。岡田氏は警察庁が2006年4月10日に設置した「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」のメンバーに選ばれている。

▼バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen29/Virtual.htm

3.評論家の芹沢俊介氏は、『下野新聞』2006年1月28日付4面などに掲載された『脳内汚染』の書評で「とても啓蒙(けいもう)されたが、その一方で悪書追放運動に連なる健全思想のニューメディア版という印象も抱いたのだった」と記している。

 影響の有無それ自体は興味深いテーマである。だが、影響があるからといって規制で解決しなければならない理由はない。影響があることをもって「悪書追放運動」につなげる意図を知事が持っているとすれば、影響の有無と規制の是非を混同している(あるいは混同させようとしている)と言えるだろう。(2006/5/15 06:40)

 

<八都県市(4都県)-6>

 埼玉県の発表によると、2006年5月15日に開かれた第49回八都県市首脳会議(首都圏サミット)では、「テレビゲームなどメディアが子どもたちに与える影響について意見交換を行い、首都圏連合協議会において、国等の研究成果の検証や情報収集に努め、今後、必要な取組の検討を行うこと」を決めたという。発表資料は次のページで確認することができる。

▼「第49回八都県市首脳会議の開催結果について」

http://prosv.pref.saitama.lg.jp/scripts/news/news.exe?mode=ref&yy=2006&mm=5&seq=53

(2006/5/16 07:30)

 

<東京都-16>

1.東京都は2006年5月19日、平成18年度第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催概要を発表した。2006年5月30日(火)の午前10時30分から都庁第一本庁舎25階114会議室で開かれる。会議内容は「自主規制に関する今後の取り組みについて」など。問い合わせ先などは次のページで確認することができる。

▼「平成18年度第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催について」http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2006/05/40g5j100.htm

2.2006年2月17日に開かれた平成17年度第3回「テレビゲームと子どもに関する協議会」では、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が「年齢別レーティング制度」の変更と、5月31日から実施する販売自主規制の強化について発表している。CESAが会場で配布した報道関係資料はCESAホームページで確認することができる。

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

(2006/5/20 07:45)

 

<長崎県-3>

 長崎県は2006年5月25日、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)が「Z:18才以上のみ対象」とした家庭用ゲームソフトを「有害図書類」にすると発表した。長崎県は2006年2月に家庭用ゲームソフト1本を個別指定しているが、「18歳未満販売禁止」のレーティングが設けられた段階でCEROを団体指定する方針を固めていた。CEROは2006年4月25日に愛知県でも団体指定されている。発表資料については次のファイルを参照。

▼「そのゲームソフトは大丈夫!?」

http://www.pref.nagasaki.jp/koho/hodo/upfile/20060526190730.pdf

※PDFファイル(22KB)

(2006/5/29 07:05)

 

<神奈川県-40>

1.平成18年度第1回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会が2006年5月29日に開催され、前年度に引き続き「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組みについて」を重点的協議事項とする案が事務局から示された。傍聴された方によると、青少年課長は業界が新たに設ける「Z:18才以上のみ対象」区分のゲームソフトについて、「すべて購入して、次回の審議会に個別に諮問して基準を確認していただく」と述べるとともに、「17才以上(「D」区分)という作品も大丈夫なのか県としてチェックしないといけないということも考えている」と話していたという。また、従来の「18才以上対象」区分のうち、何本が「Z」区分となるかは、5月30日の「テレビゲームと子どもに関する協議会」で発表されると説明していたという。

 一方、委員からは「(京都府と福岡県が個別指定した「グランド・セフト・オート・バイスシティ」が)当県において個別指定に該当するか検討する必要がある」「団体指定したとしても当分の間は個別指定するように。Dの区分が本当にDでいいのか、個別指定というのを我々の切り札として持っておく必要がある」などの意見があったという。さらに、前回の審議会でテレビゲーム関係団体のCESAとCEROを「私はまったく信用していない。悪いやつだと思っている」(神奈川県が作成した会議記録では「不信感を持っており」に修正されている)と非難した委員は、今回も「この人たち非常にインチキ団体なんだよな」「良心のカケラもない団体だと僕は思っている」と発言していたという。

2.次回の審議会は例年通りだとすれば9月上旬に開かれる。この審議会で「Z」区分とされたゲームソフトが審査され、個別指定されるものと思われる。また、場合によっては「D」区分のゲームソフトも審査されるのかもしれない。いずれ公表される会議記録がどのように修正されるのかも含め、今後の動きが注目される。

3.神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、毎日新聞社の瀬戸純一論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、包括指定を導入するより、個別指定を強化すべきだと主張していた。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。(2006/5/29 20:45)

 

<テレビゲーム業界-11>

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)、日本テレビゲーム商業組合、社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の3団体は2006年5月30日、都庁で開かれた平成18年度第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」において、31日からスタートする新レーティング制度に対応した販売自主規制の内容を説明した。傍聴された方によれば、CESAは「旧18才以上対象ソフト再審査結果一覧」や「ゲームソフトの年齢別レーティング制度変更に伴う販売店の対応マニュアル」について説明。日本テレビゲーム商業組合は「新レーティング制度に伴う販売自主規制スタートにあたり」という資料を配布し、自主規制徹底に向けた決意を表明したという。また、JFAは加盟コンビニエンスストアでは「Z」区分ソフトを一切取り扱わないことなどを定めた「「成人向け雑誌・TVゲームソフト」取扱いガイドライン」を示したという。これらの資料のうち、一部は各団体のホームページに掲載されている。

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

▼日本テレビゲーム商業組合

http://www.games-j.or.jp/index.shtml

社団法人日本フランチャイズチェーン協会

(2006/5/30 21:30)

 

<東京都-17>

1.『広報東京都』2006年6月1日付3面に掲載された「テレビゲームソフトの販売自主規制開始」という記事は、5月31日から始まった販売自主規制の内容を伝えている。記事では、5つの区分のうち「Z(18才以上のみ対象)」と表示されたゲームソフトが青少年に販売されなくなると説明。「これにより、ゲームソフトの購入時に年齢確認を求められることがあります。皆さんのご理解とご協力をお願いします」と呼びかけている。

2.神奈川県は2006年5月29日の神奈川県児童福祉審議会社会環境部会において、自主規制の対象となっている「Z」区分のゲームソフトを9月にも個別指定する方針を明らかにしている。さらに、青少年課長は「17才以上(「D」区分)という作品も大丈夫なのか県としてチェックしないといけないということも考えている」と発言。委員からも「Dの区分が本当にDでいいのか、個別指定というのを我々の切り札として持っておく必要がある」という意見が出ている。なお、ゲームの規制が議論されていたとき、取材していた記者は1人だけだったという。

3.社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が2006年5月30日に発表した「旧18才以上対象ソフト再審査結果一覧」によると、従来「18才以上対象」と表示されていたソフト148本のうち、14本が「Z(18才以上のみ対象)」区分に該当したという。この資料はCESAホームページでダウンロードすることができる。

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

(2006/5/31 07:30)

 

<その他-9>

1.『朝日新聞』2006年6月3日付夕刊5面に掲載された「ゲームソフト新たに「Z指定」 暴力表現を判断、陳列配慮 販売店巻き込み規制強化」という記事では、5月31日から始まった新レーティング制度や販売自主規制の内容などを報じている。この記事では、18歳未満販売禁止の「Z」区分が設けられた理由について、「目的は、ゲームに対する負のイメージの一掃にある」「とりわけ昨年、神奈川県がCEROの審査基準とは異なる要件で、一部のゲームソフトを県青少年保護育成条例に基づく有害図書指定にしたのが契機となった」などと説明している。

2.神奈川県は2005年6月に全国で初めて残虐性を理由にゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」を個別指定している。このゲームソフトを審査した神奈川県児童福祉審議会社会環境部会では、過去に『朝日新聞』2003年10月7日付22面に掲載された「過激シーン、即現実に ゲームソフト 販売規制へ母子ら活動」という記事が資料として配布されたことがある。この記事では、アメリカで起きた銃乱射事件の容疑者が「グランド・セフト・オートⅢ」をプレーしていたこと、同ソフトが日本でも発売されたことなどを報じている。また、アメリカと日本のレーティング制度を比較し、「評価システム日本は未熟」という小見出しもつけられている。

3.平成15年度第3回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会(2003年10月22日開催)では、「各都道府県における有害ゲームソフトの指定等の状況一覧表」という資料が配布されている。この資料には指定状況などを調査した目的が次のように記されている。

 昨今の凶悪な少年事件については、有害(特に残虐性・粗暴性を甚だしく誘発・助長するおそれのある)ゲームソフトとの関連性がマスコミ等から指摘されている。

 こうした状況への取組として、青少年保護育成条例に基づく有害ゲームソフトの指定等に係る検討を行うに当たり、各都道府県における有害指定等の状況を把握するため調査を行う。

4.神奈川県による個別指定が「Z」区分設定の契機になったとすれば、朝日新聞を含むマスコミが個別指定を誘発し、規制強化を招いたといえる。朝日新聞がこうした事実を報道しないのはなぜだろうか。ゲームソフトの規制強化は自分たちと関係がない、とでも思っているのだろうか。他人事のような記事を載せるより、ゲームソフトの規制強化と朝日新聞の関係を調査した検証記事を載せるべきだろう。(2006/6/5 07:40)

 

<三重県-1>

 三重県は2006年6月9日に三重県青少年健全育成審議会全体会を開催する。議題は団体指定による指定団体の審議など。開催案内は次のページで確認することができる。

▼「三重県青少年健全育成審議会全体会について」

http://www.pref.mie.jp/SINGI/2006050180.htm

(2006/6/6 07:40)

 

<佐賀県-2>

1.ゲームソフトの規制を検討している佐賀県は2006年6月8日までに平成18年度第1回佐賀県青少年健全育成審議会(部会)の会議資料を県ホームページに掲載した。この資料によると、団体指定制度を既に導入していることから新たな規定は設けず、「今後のCEROのレーティング制度の審査基準や実績等を検討した上で、CEROの団体指定について検討していく」という。この資料は次のページで確認することができる。

▼「平成18年度第1回佐賀県青少年健全育成審議会(部会)」

http://www.pref.saga.jp/kenseijoho/shingikai/result.php?rid=219

2.特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)は愛知県や長崎県で団体指定されている。テレビゲームソフトに係る個別指定や団体指定については次のページを参照。

テレビゲームソフトの指定状況一覧

(2006/6/13 07:40)

 

<三重県-2>

1.三重県は2006年6月13日、団体指定について審議した平成18年度第1回三重県青少年健全育成審議会の会議結果を県ホームページに掲載した。これによると、9日の審議会では「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」(CERO)と「コンピュータソフトウェア倫理機構」(ソフ倫)の2団体を指定することを決めたという。興行に関する団体指定については、「関係1団体と団体指定について協議中であり、引き続き協議を行う」という。三重県では2006年3月に団体指定制度が導入されていた。

2.三重県青少年健全育成審議会は2005年10月に県へ提出した答申のなかで、映倫を指定団体とするよう求めていた。一方、家庭用ゲーム機ソフトについては、保護者などへの啓発、販売店に対する年齢確認の協力依頼、他都道府県や国との連携による自主規制の促進--を提言していた。

3.2の答申では映倫を指定団体とするよう求めていたが、結果的にCEROやソフ倫の指定が先に決まっている。この点について事務局はどのように説明し、委員からはどのような意見があったのだろうか。三重県が公表した会議結果からは具体的な議事内容がまったく分からない。議事内容の透明性に関する三重県の考え方とともに、どのような審議が行われたのか非常に気になるところである。

【関連リンク】

▼三重県青少年健全育成審議会

http://www.pref.mie.jp/SINGI/council.asp?CLCODE=0013

(2006/6/14 07:40)

 

<京都府-8>

1.京都府は2006年6月20日(火)に京都府青少年健全育成審議会営業対策部会を開催する。議題は団体指定に係る審議など。開催案内は次のページで確認することができる。

▼「京都府青少年健全育成審査会(開催案内一覧)」

http://www.pref.kyoto.jp/shingikai/gaiyou/seisyo-01/annai/index.html

2.山田啓二・京都府知事は2005年10月14日の記者会見で、家庭用ゲームソフトを個別指定する考えを明らかにするとともに、「(業界団体の基準が)自動的に有害指定になるというシステムが条例上組み込まれておりますので、それが統一適用できないかと、今協議を進めている」と述べ、大阪府や兵庫県と団体指定のあり方について検討していく方針を示していた。その後、大阪府は2005年10月、兵庫県は12月に団体指定方式を導入。京都府は12月に家庭用ゲームソフト2本を個別指定している。

3.家庭用ゲームソフトの審査を行う「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」(CERO)は2006年4月に愛知県、5月に長崎県で団体指定されている。また、三重県青少年健全育成審議会は2006年6月にCEROの団体指定を決めている。6月20日の審議会ではCEROの団体指定が審議されるのかもしれない。

4.京都府が公表した京都府青少年健全育成審議会の議事要旨によると、2006年3月に開かれた全体会では、「審議会の原則公開を決定し、公開に伴い必要な傍聴要領を定めた」という。6月20日の審議会は公開で行われる初めてのケースになるのかもしれない。(2006/6/16 07:40)

 

<テレビゲーム業界-12>

1.社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2006年6月16日、「旧18才以上対象ソフト再審査結果一覧」の最終版を発表した。CESAは2006年5月30日の平成18年度第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」で、旧「18才以上対象」ソフト148本のうち、14本が「Z(18才以上のみ対象)」区分に該当したことを明らかにしていたが、11本については「再審査中」などとしていた。このうち6月7日に3本が「Z」区分に追加され、最終版では6本が「Z」区分、2本が「D(17才以上対象)」区分に追加された。この結果、新レーティング制度で「Z」区分とされた旧「18才以上対象」ソフトは23本となっている。再審査結果一覧はCESAホームページからダウンロードすることができる。

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

2.CESAは「ゲームソフトの年齢別レーティング制度変更に伴う販売店の対応マニュアル」を制作し、「Z」区分のソフトについて、18才未満への販売禁止、区分陳列、試遊台での利用自粛、年齢確認などを販売店に呼びかけている。新レーティング制度に基づく販売自主規制は2006年5月31日からスタートしている。(2006/6/20 07:30)

 

<京都府-9>

1.『京都新聞』2006年6月21日付28面に掲載された「有害図書類審査 団体指定制度を導入 審議会府に答申 ビデ倫など2団体」という記事によると、京都府青少年健全育成審議会は20日、「日本ビデオ倫理協会」と「コンピュータソフトウェア倫理機構」を団体指定するよう答申したという。

2.1の記事には、「近年、DVDやゲームソフトなどメディアが多様化して審査の対象が増えたため、審議会は条例に基づいて「団体指定」を導入する方針を決めた。近畿地方では、大阪府が実施している」とある。大阪府では2005年12月に「日本ビデオ倫理協会」「コンピュータソフトウェア倫理機構」「コンテンツ・ソフト協同組合」「全日本ビデオ倫理審査会」の4団体が指定されている。(2006/6/21 07:35)

 

<群馬県-1>

 群馬県が発表した県青少年保護育成審議会の結果概要によると、2006年3月16日の第467回審議会では、神奈川県などで個別指定されているゲームソフト「グランド・セフト・オートⅢ」の操作状況を録画したビデオを視聴したという。結果概要は次のページで確認することができる。

▼群馬県青少年保護育成審議会

http://www.pref.gunma.jp/hpm/kodomo/00187.html

(2006/6/23 07:40)

 

【関連リンク】

残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き

 

テレビゲームソフトの指定状況一覧

 

▼ゲームソフトの「有害」指定 規制を誘発するマスコミ

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/49.htm

▼ゲームソフトの「有害」指定 保護者は判断力の育成を重視

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/51.htm

▼「ゲームソフトの「有害」指定 試買調査を各都県が分担」

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2006/0214.htm


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