青少年条例をめぐる動き(3)

2001年

2002年

2003年

1月15日

 『日本海新聞』23面に「わいせつビデオ、自販機に収納 県外の3業者逮捕 有害図書包括指定の導入後初 鳥取県警」という記事が掲載される。『山陰中央新報』22面にも「自販機に有害ビデオ 販売業者ら3人逮捕 鳥取県警など」という記事が掲載された。

 

1月22日

 『上毛新聞』15面に「子ども相手に買い取り 人気カードゲームなど 古物商の男逮捕 大泉署」という記事が掲載される。記事によると、群馬県警少年課と大泉署は21日、昨年10月に中学生からゲームカードなどを買い取ったとして、大泉町の古物商を県青少年保護育成条例(古物買い受け等の制限)違反の疑いで逮捕したという。

 

1月24日

 ABS秋田放送ホームページに「高校PTA正副会長会議でデリヘル問題を話し合う」という記事が掲載される。記事によると、秋田県は24日、風俗情報が過半を占める情報誌を「有害」図書に指定したという。

2003年1月24日のニュース

http://www.akita-abs.co.jp/news/newsbn/2003/030124.htm

 

2月5日

 神奈川新聞ホームページに「有害図書などの自販機NO 寒川の団体が要望へ」という記事が掲載される。

地域情報 横須賀・湘南

http://www.kanagawa-np.co.jp/tiiki/yokosuka/sd03020502.html

 

2月6日

 『新文化』に「宝島社VS東京都 都が「指定」釈明拒否 不健全図書裁判」という記事が掲載される。

 

2月8日

 『産経新聞』(大阪版)26面に「アダルトビデオ自販機 府警、初の摘発 牧方の男性書類送検へ」という記事が掲載される。『毎日新聞』(大阪版)25面にも「自販機の有害ビデオで古物商を容疑で検挙」という記事が掲載された。『読売新聞』(大阪版)にも「通学路にわいせつビデオ自販機設置 古物商を書類送検へ」という記事が掲載された。

 

2月19日

1.太田房江・大阪府知事は平成15年2月定例府議会に上程した青少年条例改定案について「最近のインターネット等の新たな情報媒体の普及や、犯罪の誘発につながる図書類の増加などに対応するため、インターネット上の有害情報から青少年を保護する規定を追加するなど、「青少年健全育成条例」を改正いたします」と説明。

 

2.富山県は県青少年保護育成条例に基づく県下一斉立入調査を実施した。

富山県青少年保護育成条例に基づく県下一斉立入調査結果

http://www.pref.toyama.jp/sections/1201/seisyonen/tatiri/15.2.19.htm

 

2月20日

 『新文化』3面に「アダルト本 自販機が問題に 自治体の倫理問題大会で」という記事が掲載される。

 

2月24日

 柿本善也・奈良県知事は平成15年2月定例県議会に上程した青少年条例改定案について「昨今の情報化の進展や社会環境の変化を踏まえ、インターネットに関する自主規制や有害図書類の包括指定の拡大などを盛り込むため、「奈良県青少年の健全育成に関する条例」を改正するとともに、その内容を県民大会やビデオ、リーフレットにより広く周知・啓発し、青少年を有害環境から守る気運を醸成してまいります」と説明。

 

2月28日

 田中康夫・長野県知事は平成15年2月定例県議会において、竹内久幸議員(社会県民連合)から青少年健全育成条例制定に対する考えを問われ、「青少年を育むためには条例によって規制するのではなく、家庭や学校、地域あるいは行政、また関係の団体や業界、とりわけ多くのボランティアの意識というものが一体となっての長野県全体としての運動として推進することがより望ましい」として、条例制定は必要はないとする考えを示した。

 一方、関一・県警本部長は「児童買春禁止法など既存の法律の適用できない事案がありますことから、これらを取り締まる条例があれば大人の犯罪から青少年を守るのに効果がある」と指摘。「有害」図書指定のあり方はその有効性に問題があるとしつつも、「大人の犯罪から少年を守る主旨と少年の健全育成という観点から条例制定の必要性を知事部局に訴える」と述べた。

【関連リンク】

長野県青少年保護育成条例(仮称)

 

3月1日

 『信濃毎日新聞』4面に「県会代表質問詳報」という記事が掲載される。社会県民連合・竹内久幸議員の質問内容と、知事および県警本部長の答弁の内容を報じている。

 

3月2日

 『信濃毎日新聞』18面に「松川村 青少年に有害な自販機「NO宣言」 住民の撤去運動推進へ」という記事が掲載される。

 

3月8日

1.『山陽新聞』35面に「有害図書で略式起訴」という記事が掲載される。記事によると、岡山区検は7日、東京都練馬区の「三和図書販売」と同社社長を、岡山市などの自動販売機に「有害」図書を収納したとして、県青少年保護育成条例違反の罪で略式起訴したという。

 

2.ポット出版ホームページに、湯浅俊彦氏の「デジタル時代の出版メディア・考 第36回 インターネット出現以降の法学」が掲載される。この中で湯浅氏は、大阪府の青少年条例改定について「表現の自由の観点からは今回もまた非常に疑義のあるところ」と指摘している。

 一方、かつては入手困難だった青少年問題協議会の答申などがインターネットで公開されており、「このような自治体による情報公開自体は評価されてよいだろう」としている。

デジタル時代の出版メディア・考●第36回

http://www.pot.co.jp/digitaljidai/36_20030308.html

【関連リンク】

大阪府青少年課

http://www.pref.osaka.jp/seishonen/index.html

 

3月13日

1.大阪府議会は平成15年2月定例府議会に上程されていた大阪府青少年健全育成条例一部改定案を原案通り可決。新条例は2003年7月1日から施行される。

 

2.『山形新聞』19面に「自販機に有害図書納めた疑い、業者を書類送検」という記事が掲載される。記事によると、尾花沢署は12日、条例で指定する「有害」なビデオテープ数巻を尾花沢市内の自販機に収納したとして、埼玉県三郷市の図書類販売業者を県青少年保護条例違反の容疑で書類送検したという。

 

3月18日

1.奈良県議会は平成15年2月定例県議会に上程されていた「奈良県青少年の健全育成に関する条例の一部を改正する条例」を原案通り可決した。新条例は2003年4月1日(区分陳列については10月1日)から施行される。

 

2.京都府青少年健全育成審議会は、「有害」図書指定の対象に「自殺や犯罪手口を説明した書籍」を加えるべきかについて意見交換を行った。

京都府青少年健全育成審議会の議事要旨

http://www.pref.kyoto.jp/shingikai/gaiyou/seisyo-01/kekka/020318.htm

 

3月19日

 岐阜県議会は平成15年第1回県議会定例会に上程されていた「岐阜県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」を全会一致で可決した。これにより、「岐阜県青少年保護育成条例」の題名が「岐阜県青少年健全育成条例」に改められたほか、審議会の委員が15人以内から20人以内とされるなどの変更が行われた。新条例は2003年4月1日から施行される。

 

3月21日

 『全国書店新聞』が「東京組合の請願、都が採択」という記事を掲載。記事によると、東京都議会は3月7日、東京都書店商業組合(萬田貴久理事長)が提出した古書店・新古書店における書籍買取りの実態把握と、買取り時に年齢や親の同意の確認を青少年条例で義務づけるよう求める「青少年健全育成条例の一部改正等に関する請願」を一部採択したという。今回採択されたのは「業界の実態把握」のみで、条例強化については審議未了になったという。

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

4月3日

 奈良県青少年課は「奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正に対する意見募集の結果について」を発表。44個人・団体から55件の意見が寄せられたという。

奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正についての意見募集の結果

http://www.pref.nara.jp/seisyonen/public_c_/top.htm

 

4月4日

 『朝日新聞』(夕刊)に「日本の若者は殺さない 上 暴力犯罪エネルギーが激減」という記事が掲載される。若者の殺人率が過去40年で10分の1になっていることや、02年版犯罪白書における若者の暴行、傷害、強姦などの犯罪率が以前と比べて激減していることを指摘。「殺人を頂点とする暴力犯罪を数字の上で急激に減らしているということは、今の若者たちの大きな長所なのである」と結んでいる。

【関連情報】

 長谷川寿一・長谷川眞理子「戦後日本の殺人の動向 とくに嬰児殺しと男性の殺人について」(『科学』2000年7月号、岩波書店)では、若者の殺人率が戦後極端に低下したことを進化生物学の観点から分析している。

 

4月8日

 『中国新聞』23面に「自販機に有害図書置く」という記事が掲載される。記事によると、竹原署は7日、「性的な描写」を録画したビデオテープやDVDなどを県内に設置した自販機に収納したとして、兵庫県姫路市のビデオ販売会社社長と同社員を県青少年保護条例違反の容疑で逮捕したという。

 

4月11日

 『出版ニュース』2003年4月中旬号に「「青少年の健全育成条例の一部改正等に関する請願」一部採択される」という記事が掲載される。記事によると、東京都議会は3月7日、東京都書店商業組合が提出していた(1)新古書店などにおける18歳未満からの書籍等の買取りの実態把握を行う、(2)青少年条例を強化し、18歳未満からの書籍等の買取りには年齢や親の同意の確認を義務付ける――ことを求める請願の一部を採択したという。採択されたのは実態把握のみで、4月上旬にヒアリングが予定されているという。なお、請願の全文も掲載されている。

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

4月15日

1.大阪府青少年健全育成審議会第1部会は「大阪府青少年健全育成条例第13条第1項第3号に規定する基準」について意見交換を行った。なお、第13条第1項第3号とは、2003年3月の改定により追加された「青少年の犯罪を著しく誘発するおそれがあり、青少年の健全な成長を阻害するもので、規則で定める基準に該当するもの」という規定である。

 

2.Yahoo!ニュースに「社会的自立への育成策を 青少年懇談会が報告書」という記事が掲載される。

社会的自立への育成策を 青少年懇談会が報告書

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030415-00000142-kyodo-pol

【関連リンク】

 「青少年の育成に関する有識者懇談会」がまとめた報告書は内閣府・青少年健全育成ホームページからダウンロードすることができる。

青少年健全育成ホームページ

http://www8.cao.go.jp/youth/

 

4月24日

 『新文化』2面に「青少年健全育成条例を改正 大阪府」という記事が掲載される。また「万引きの実態をヒアリング 東京都」という記事も掲載された。

 

5月1日

 『信濃毎日新聞』17面に「長野市の改正青少年保護育成条例 「有害」基準難しさ露呈」という記事が掲載される。

 

5月10日

 スポーツニッポンホームページに「過激性描写に北海道“有害指定”」という記事が掲載される。

過激性描写に北海道“有害指定”

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/kiji/2003/05/10/05.html

 

5月11日

1.大阪日日新聞ホームページに「改正条例周知へリーフレット」という記事が掲載される。

改正条例周知へリーフレット

http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/200305/news0511.html#05115

 

2.『日本経済新聞』に「万引き防止 本棚の陰に目あり」という特集記事が掲載される。青少年条例では「未成年が骨とう品店などで物品を売りさばくのを禁じているが、なぜか多くの自治体が書物に限って除外している」ことから、書店主らの見方では、こうした適用除外が中古本市場の成長とともに換金目的の万引きを助長していると指摘。「本の売買を規制しているのは全国都道府県のうち神奈川県などわずか」だとして、書店主らによる青少年条例の改定・強化の働きかけを支援する内容となっている。

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

5月20日

1.『信濃毎日新聞』17面に「長野市教委 「有害図書類」指導も 図書・ビデオ自販機など 立ち入り調査で」という記事が掲載される。

 

2.大阪府青少年健全育成審議会第1部会は「大阪府青少年健全育成条例第13条第1項に規定する基準」について意見交換を行った。

 

5月27日

 大阪府青少年健全育成審議会第1部会は「大阪府青少年健全育成条例第13条第1項に規定する基準」について意見交換を行った。

 

5月29日

 岡山市は「市電子掲示板に係る有害情報の記録行為禁止に関する条例」による「有害」情報などの削除状況を公表した。平成14年11月1日から平成15年4月30日までの半年間で40件が削除されたという。

削除状況の公表

http://www.city.okayama.okayama.jp/jinken/jourei/kouhyou/030430.htm

 

5月30日

 『信濃毎日新聞』3面に「有害図書規制の「青少年条例」 豊野町も検討へ 来月にも委員会、異論も」という記事が掲載される。

 

6月1日

 『朝日新聞』(神戸版)に「「ピンクチラシ」条例施行から1ヵ月 「規制逃れ」早くも出現 県警2人逮捕 住民らも自衛策」という記事が掲載される。記事によると、兵庫県は、風俗店の宣伝用ピンクチラシの配布を禁止する改定迷惑防止条例を5月1日から施行。県警はこれまで、神戸市兵庫区でピンクチラシを投函した男性を同条例違反容疑で現行犯逮捕するなど、2人を逮捕、2人を書類送検しているという。

【関連リンク】

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部改正

http://www.police.pref.hyogo.jp/pubcom/02_01/index.htm

 

6月6日

 『山陽新聞』35面に「図書販売 無罪を主張」という記事が掲載される。記事によると、「有害」図書を岡山県内の自販機で販売したとして県青少年保護育成条例違反罪に問われた埼玉県川口市の男性の初公判が5日、岡山簡裁であったという。被告は、購入者を監視カメラでチェックし、青少年に売らないようにしているので、「県条例が定めた自販機にはあたらず無罪」と主張しているという。なお、被告はいったん起訴猶予となったが、検察審査会が起訴相当と議決したため起訴されたという。

【関連情報】

 検察審査会とは、有権者の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が検察官の不起訴処分の妥当性を審査する機関である。議決には「起訴相当」「不起訴不当」「不起訴相当」があり、検察官はこの議決を参考にして事件を再検討、起訴すべきかを改めて判断する。

 

6月11日

 『北國新聞』5面に「12点を有害図書指定」という記事が掲載される。

 

6月19日

 『新文化』に「石原都知事の著作引合いに 「猥褻」定義の矛盾指摘 宝島社「不健全図書」裁判」という記事が掲載される。

 

7月1日

1.奈良県青少年課が「青少年の未来のために(奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正ポイント)」を公表。

奈良県青少年の健全育成に関する条例の改正ポイントを掲載しました

http://www.pref.nara.jp/seisyonen/zyourei/top.html

 

2.『全国書店新聞』2面に「大阪も区分陳列義務化 成人図書のパック化が課題 6月理事会」という記事が掲載される。また、3面には「県青少年条例一部改正の請願決議 群馬総会」という記事が掲載されている。この記事によると、群馬県書店商業組合は5月26日の総会で、群馬県青少年保護育成条例第10条の「書籍を除く」の改定について県議会へ請願することを満場一致で決議したという。

 

7月9日

 富山県児童青年家庭課ホームページに、県青少年問題協議会(会長:中沖 豊知事)が6月にまとめた「平成15年度富山県青少年問題協議会意見具申 ~青少年にとって有害と思われる新たな情報への対応~」が掲載される。

平成15年度富山県青少年問題協議会意見具申について

http://www.pref.toyama.jp/sections/1201/seisyonen/seimon15.htm

 

7月10日

 『新文化』に「国会で書店万引問題 「新古書店に行政指導」 谷垣公安委員長が答弁」という記事が掲載される。また「9月に一審判決 宝島社の不健全裁判」という記事も掲載されている。

 

7月14日

 琉球新報ホームページに「<県議会>青少年の健全育成決議を可決 」という記事が掲載される。

<県議会>青少年の健全育成決議を可決 」

http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/2003/2003_07/030714ea.html

 

7月15日

 『信濃毎日新聞』19面に「ビデオ貸出機を調査 長野市教委 業者「撤去」に反発という記事が掲載される。

 

7月16日

1.『日刊スポーツ』に「漫画ヒントに19歳がデートクラブ経営」という記事が掲載される。記事によると、大阪府警少年課と牧方署は15日までに、家出中の少女(当時15歳)に売春をさせたていたとして、デートクラブを経営していた大阪市の少年(19歳)ら3人を児童福祉法違反の容疑で、客の男性5人を児童買春禁止法違反容疑で逮捕したという。逮捕された少年は、市販されている漫画を参考にデートクラブを始めたといい、府警は14日、この漫画が「有害」図書に該当する可能性があるとして大阪府に通報したという。『毎日新聞』(大阪版)にも「女子中生使いデートクラブ 容疑で少年ら大阪府警逮捕」という記事が掲載された。

 

2.『毎日新聞』(夕刊)に「ネットに氾濫 地雷もサリンも 表現の自由からんで規制は困難」という記事が掲載される。記事では、福井や静岡で起きた爆発事件にインターネットが絡んでいたとことや、ネット上にはサリンの製造方法まであることから、「犯罪に結びつく可能性のある情報を掲載したホームページ(HP)が氾濫している」と指摘している。

 

8月2日

1.『神奈川新聞』(横浜版)18面に「無人ビデオ店でアダルトビデオ貸し出し容疑」という記事が掲載される。記事によると、港南署は1日、港南区日野中央の無人レンタルビデオ店の貸し出し用機械にアダルトビデオを収納したとして、横浜市中区のレンタルビデオ店経営者を県青少年保護育成条例違反(有害図書類等の自動販売機等への収納禁止)容疑で書類送検したという。

 

2.『伊勢新聞』15面に「エアガン販売の業者を書類送検 尾鷲署」という記事が掲載される。記事によると、尾鷲署は1日、今年6月に18歳未満への販売が禁止されているエアガン1丁を中学生に販売したほか、これまでにも10数丁を18歳未満の少年に販売していたとして、尾鷲市の玩具販売業者を県青少年健全育成条例(有害玩具交付の禁止)違反容疑で書類送検したという。『朝日新聞』(三重版)20面にも「少年に空気銃販売容疑」という記事が掲載された。

 

8月5日

 『信濃毎日新聞』28面に「「有害図書」業者告発も 長野市教委自販機調査 「撤去指導従わず」」という記事が掲載される。

 

8月8日

 『福島民報』31面に「有害ビデオを自販機に収納 福島署、男を逮捕」という記事が掲載される。記事によると、福島署は7日、福島市内に設置した自動販売機に青少年に「有害」なビデオテープ、DVDビデオソフトを収納していたとして、東京都北区の会社役員を県青少年健全育成条例違反の容疑で逮捕したという。なお、自動販売機は8日、同署により撤去されるという。

 

8月13日

 『日刊スポーツ』に「「アダルトビデオを見て自分でもできると思った」 高2レイプ魔 1年間31件」という記事が掲載される。記事によると、福岡県警中央署と西署は12日までに、強姦致傷などの容疑で、福岡市中央区の少年(17歳)を逮捕したという。逮捕された少年は、31件の暴行事件を起こしたことを認めているほか、「アダルトビデオを見てレイプに興味を持った。自分でもできるのではないかと思った」などと話しているという。

 

8月14日

1.『日本経済新聞』に「テレビゲーム 子どもの成長に与える影響検証 25日から千葉で国際学会 社会とのかかわり考察」という記事が掲載される。記事によると、テレビゲームが子どもの成長に与える影響などを検証する「国際シュミレーション&ゲーミング学会」が25日から5日間、千葉県木更津市のかずさアカデミアパークで開催されるという。テレビゲームの影響については、29日の分科会で検証されるという。

【関連リンク】

第34回国際シミュレーション&ゲーミング学会(ISAGA)大会

http://www.isaga2003.org/

【関連情報】

 坂元章氏(お茶の水女子大助教授)は、『児童心理』1999年2月号に掲載された論考「テレビゲームは子どもの心にどう影響するか(2) テレビゲームは暴力性を高めるか」で、1999年の段階ではテレビゲーム悪影響論を肯定する実証的研究は乏しいが、悪影響論を否定する十分な根拠が出されたわけではないと指摘。テレビゲームの現実性が向上したこと、接触量が増加したこと、実際に影響を受けたとみられる事件が起きていること、悪影響論を支持する新たな研究知見があることから、暴力に関する悪影響論は否定しにくいと論じている。

 

2.『日刊スポーツ』に「漫画マネて強盗 中3ら6人逮捕」という記事が掲載される。記事によると、大阪府警少年課と吹田署は13日までに、強盗や空き巣などを繰り返していたとして、大阪府吹田市の少年(14歳)ら6人を逮捕し、2人を書類送検、13歳の少年ら3人を児童相談所に通告したという。空き巣狙いについては、漫画に描かれていたガラスを割る場面をまねていたという。

 

8月19日

1.島根日日新聞ホームページに「青少年の健全育成条例改正から一年/有害図書の自販機再び増加傾向/一度は全廃の出雲市も七台が復活」という記事が掲載される。

青少年の健全育成条例改正から一年/有害図書の自販機再び増加傾向/一度は全廃の出雲市も七台が復活

http://www.shimanenichinichi.co.jp/db/show.phtml?ki=200308190101

 

2.京都新聞ホームページに「コンビニや古本店など一斉調査 京都府 青少年健全育成条例で」という記事が掲載される。

コンビニや古本店など一斉調査 京都府 青少年健全育成条例で(京都新聞:2003.08.19)

http://kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003aug/19/W20030819MWA1K000000065.html

 

8月21日

 『新文化』に「表紙上部に表示を 出倫協 成年向け雑誌マーク」という記事が掲載される。記事によると、出版倫理協議会は7月25日、区分陳列を徹底するため、「出版ゾーニングマーク」と「成年向け雑誌マーク」を「表紙の三分の一より上部」に表示するよう会員出版社の編集担当責任者宛に送付したという。

 

8月28日

 『毎日新聞』31面に「同じ本2冊買い取らない 18歳未満は全員身分確認 万引き対策 ブックオフなどが新ルール」という記事が掲載される。記事によると、新古書店7社で構成する「リサイクルブックストア協議会」(会長、坂本孝・ブックオフコーポレーション社長)は、27日までに、(1)1人の客から同じ本を2冊以上買取らない、(2)18歳未満から買取る場合は、保護者の同意書の提出と学生証などによる身分確認を行う、という運営ルールを定めたという。(1)についてはすぐに実施し、(2)については10月までに始めるという。

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

9月1日

 『福島民報』23面に「青少年性犯罪増加に歯止め 県健全育成条例を厳罰化 目立つ甘さ改善 違反行為や有害図書販売 罰金引き上げ 来年度にも施行」という記事が掲載される。

 

9月3日

 『北國新聞』28面に「有害図書に8冊 県青少年健全育成審」という記事が掲載される。

 

9月6日

 『福島民報』26面に「県青少年育成条例の厳罰化 県青少年問題協議会 県の方針了承」という記事が掲載される。記事によると、福島県青少年問題協議会は5日、県青少年健全育成条例を改定する県の方針を了承したという。この他協議会では、インターネットで「有害」情報を入手するケースを考慮し、条例に反映すべきだとする意見が出たという。県は、10月の次回協議会までに改定案をまとめ、16年度の施行を目指すという。『福島民友』2面にも「罰則強化 有害図書違反 わいせつ行為 健全育成条例改正へ 県が5年ぶり」という記事が掲載された。

 

9月10日

 『上毛新聞』14面に「「未成年者から古書買い取り禁止を」 条例改正を要請へ 県青少年保護育成審」という記事が掲載される。記事によると、群馬県青少年保護育成審議会は9日、現在は認められている未成年者からの古書買い取りを禁止するため、県青少年保護育成条例を見直すよう知事に求めることを決めたという。県青少年こども課は「条例改正については具体的にどうなるかは分からない」と慎重な姿勢だという。

 

9月14日

 『上毛新聞』16面に「青少年からの古書買い取り 県が禁止の方針」という記事が掲載される。記事によると、群馬県青少年保護育成審議会は13日までに、県青少年保護育成条例を改定し、保護者の委託や同意がない場合は、青少年からの古書買い取りを禁止するよう知事に要請したという。県側は青少年の万引が社会問題化していることから禁止する方針を固めたが、条例改定の時期については決まっていないという。

 

9月17日

 『中国新聞』1面に「有害図書許さぬ 育成条例県改正へ 自販機撤去や罰則 広島」という記事が掲載される。記事によると、広島県は県青少年健全育成条例を改定し、自動販売機での「有害」図書の販売規制を強化する方針であるという。「有害」図書の除去命令と自動販売機の撤去命令を新設するほか、撤去後に別の自販機で営業するケースに対処するため、全国でも初めて「常習者」に対する罰則を設けるという。除去命令違反の罰則は50万円以下の罰金、撤去命令違反および「常習者」に対する罰則は6月以下の懲役か50万円以下の罰金になるという。県は17日開会の県議会定例会に条例改定案を提出し、来年4月からの施行を目指すという。

 

9月18日

1.『読売新聞』(東京版)に「治安対策者会議を開催 都の対策本部 新宿など3区長ら招き」という記事が掲載される。記事によると、都の緊急治安対策本部は17日、新宿、渋谷、豊島の3区長と、所轄の警察署長を招き、治安対策会議を開いたという。少年非行問題については、「有害」図書などを規制する方策を検討することになったという。

 

2.『中国新聞』32面に「補正予算など31議案を上程 広島県議会定例会」という記事が掲載される。記事によると、17日に開会した広島県議会9月定例会に、自動販売機規制の強化を盛り込んだ県青少年健全育成条例の一部改定案が上程されたという。『朝日新聞』(広島版)にも「有害図書類自販機販売 「常習」業者 懲役も 県、条例改正案を提案」という記事が掲載された。

 

9月19日

 『読売新聞』(横浜版)32面に「わいせつビデオ類の自販機・貸出機 港南区内全廃 無人レンタル店 今月末閉店で 警察・行政・住民 協力の成果」という記事が掲載される。記事によると、横浜市港南区の無人レンタルビデオ店において、区内の高校生が他人の健康保険証で成人用会員証を作り、アダルトビデオを借りていたことが判明。港南署は先月1日、経営者を県青少年保護育成条例違反(有害図書収納禁止)の疑いで書類送検したという。また、区内の住民団体、市役所、港南署は同27日、連名で閉店の要望書を経営者に提出。こうしたことから経営者は、今月末に無人レンタルビデオ店を閉店することを決めたという。

 

9月25日

 『福島民報』2面に「県青健条例改正 インターネット論議を」という論説が掲載される。

 

9月26日

1.『毎日新聞』30面に「付録アダルトビデオ理由に 不健全図書指定は合法 東京地裁初判断」という記事が掲載される。

【関連リンク】

宝島社裁判と帯紙措置

出版倫理協議会による流通規制

 

【関連情報】

1.宝島社の雑誌『DOS/V USER』および『遊ぶインターネット』は、平成12年9月(第486回)、10月(第487回)、11月(第488回)、12月(第489回)の東京都青少年健全育成審議会において「不健全」図書の認定を受けている。

 

2.「第十九期(平.12.10.1~14.9.30.)東京都青少年健全育成審議会委員名簿」によると、毎日新聞東京本社論説委員や朝日新聞東京本社編集局記事審査部長らが、「不健全」図書の審査を行う東京都青少年健全育成審議会の委員になっている。なお、第20期(平14.10.1~16.9.30.)の委員名簿や、近年開催された審議会の議事録などは次のページで確認することができる。

審議会等

http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9files/singi.htm

 

3.メディアと審議会の関係については、以下の文献が詳しい。

(1)天野勝文「「取り込まれる」ジャーナリスト」『総合ジャーナリズム研究』第128号(1989年) 46-52頁

(2)天野勝文「「取り込まれる」マスコミ人 =全国版=」『総合ジャーナリズム研究』第144号(1993年) 72-79頁

(3)天野勝文「政府審議会は記者のウバ捨て山か 記者クラブ同様これも一つの癒着ではないか」『文芸春秋』1993年11月号 296-303頁

(4)天野勝文「新聞人の各種審議会への参加について」新聞労連編『新聞記者を考える』(晩聲社、1994年) 187-211頁

 

2.毎日新聞ホームページに「本の万引きに歯止め 18歳未満からの買い取り、原則禁止に--条例改正へ」という記事が掲載される。

本の万引きに歯止め 18歳未満からの買い取り、原則禁止に--条例改正へ

http://www.mainichi.co.jp/area/gunma/news/20030926k0000c010005000c.html

 

9月30日

 『上毛新聞』18面に「古書の除外規定 条例改正発議へ 県議会」という記事が掲載される。

 

10月2日

1.広島県議会は平成15年9月定例県議会に上程されていた「広島県青少年健全育成条例」一部改定案を可決した。新条例は2004年4月1日から施行される。

 

2.『新文化』に「不健全図書裁判 宝島社が敗訴 全面棄却に控訴の構え」という記事が掲載される。

 

10月3日

1.『中国新聞』26面に「補正予算案など34議案可決 広島県議会閉会」という記事が掲載される。『朝日新聞』(広島版)26面にも「6意見書採択 県議会閉会」という記事が掲載された。

 

2.秋田県議会は、平成15年9月定例県議会に上程されていた「秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例」一部改定案を原案通り可決した。新条例は2004年4月1日から施行される。

 

3.「子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会」(座長、前田雅英東京都立大学教授)は、「~緊急提言~子どもを犯罪に巻き込まないための方策」を竹花豊・都副知事に提出した。提言では、「有害」図書の規制について次のような指摘をしている。

○ 有害図書の子どもへの販売の防止を

 性的感情を刺激したり残虐性を助長する雑誌の不健全図書類指定については、大多数の道府県で包括指定、緊急指定制度を導入しているが、東京都では、現在、個別に指定されている。しかし、毎月1回の指定で、約10冊しか指定されず、また指定された時点では、店頭には並んでおらず、実効性は低い。指定図書でもなく、出版業界が自主規制で成人用であるとしている雑誌でなくても、子どもの健全育成に有害であると思われる雑誌が何らの制限もなく書店やコンビニエンスストア等で売られ、小中学生の目に触れることができるなど、憂慮にたえない状態である。

 有害指定でなくても子どもの健全育成上、有害な図書・ビデオ・コンピュータソフト等が書店、コンビニエンスストア、自動販売機等を通じて子どもの手に入らないようにするための何らかの方策を採ることが必要である。

 特に自動販売機については、青少年が有害な図書やビデオを容易に入手できるため、年齢識別機の設置を義務付ける必要がある。また、自動販売機の設置場所を規制すべきとの意見もあった。

子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会

http://www.chijihonbu.metro.tokyo.jp/chian/kodomo/kodomo.htm

 

10月4日

 『秋田魁新報』1面に「52議案を可決、同意 9月定例県議会が閉会」という記事が掲載される。2面には可決された主な議案が紹介されている。

 

10月6日

 『中国新聞』2面に「広島の有害図書追放 「厳罰」をステップに」という社説が掲載される。

【関連情報】

 『中国新聞』は2001年1月28日に「青少年有害情報 法規制の危うさを懸念」という社説を掲載している。

 

10月7日

1.『都政新報』に「少年犯罪で緊急提言 犯罪被害防止教育など66施策 健全育成条例改正へ」という記事が掲載される。

 

2.『上毛新聞』17面に「社長ら書類送検 親の承諾ないゲームソフト 中高生から購入 高崎署」という記事が掲載される。記事によると、県警少年課と高崎署は6日、親の承諾なしに中高生からゲームソフトを買い取ったとして、高崎市内のゲームソフト買い取り・販売会社と同社社長、アルバイトを県青少年保護育成条例違反の容疑で書類送検したという。同署は今年7月、大型書店などでゲームソフトなどの窃盗を繰り返していた男子生徒ら4人を逮捕。その供述から今回の事件が発覚したという。

 

10月10日

 『朝日新聞』に「変わる政治 深い視点で 朝日新聞紙面審議会 03年度第3回」という記事が掲載される。記事によると、9月30日に開かれた朝日新聞紙面審議会で、渡辺正太郎委員は「既存の体制と距離を置き批判することも新聞社の大きな役割のひとつである。例えば、政府の審議会に新聞社が入って政策提言に参画すると、自らそれに縛られ、政府の先棒を担ぐ結果になる。慎重な対応が必要だ」と指摘。これに対し、吉田慎一東京本社編集局長は「政府の審議会への記者の参加について、朝日新聞は、抑制的に考えるのを原則にしている。参加要請があった場合は、数人の委員会で参加が適当かどうか検討して判断している。場合によっては報道の公平・公正、不偏不党の根幹にかかわりかねないからだ」と答えたという。なお、紙面審議会の司会は津山昭英・編集担当補佐だったという。

【関連情報】

1.津山昭英・編集担当補佐は、過去に「不健全(有害)」図書の審査などを行う東京都青少年健全育成審議会で委員を務めていた。津山氏が委員であった当時、朝日新聞は2001年1月25日に「有害情報規制 どういう結果を招くか」という社説を掲載している。この社説では、自民党「青少年社会環境対策基本法案」について、「メディアを政府や行政の監視下に置く」、「メディアリテラシーの能力を育てることが大事だ」などと批判している。ところが、2001年3月に改定・強化が予定されていた東京都青少年健全育成条例については一言も触れていない。

 

2.メディア関係者が政府の各種審議会にどれだけ参加しているかは、総務省行政管理局編『審議会総覧』で確認することができる。なお、審議会への記者参加を「抑制的に考えるのを原則にしている」はずの朝日新聞でさえ、1人で複数の審議会を掛け持ちしているケースがある(参考資料:平成10年度版『審議会総覧』)。

 

3.メディアと審議会の関係については、以下の文献が詳しい。

(1)天野勝文「「取り込まれる」ジャーナリスト」『総合ジャーナリズム研究』第128号(1989年) 46-52頁

(2)天野勝文「「取り込まれる」マスコミ人 =全国版=」『総合ジャーナリズム研究』第144号(1993年) 72-79頁

(3)天野勝文「政府審議会は記者のウバ捨て山か 記者クラブ同様これも一つの癒着ではないか」『文芸春秋』1993年11月号 296-303頁

(4)天野勝文「新聞人の各種審議会への参加について」新聞労連編『新聞記者を考える』(晩聲社、1994年) 187-211頁

 

10月16日

 『信濃毎日新聞』34面に「市条例違反容疑で逮捕 長野の店主 貸出機に有害図書」という記事が掲載される。

 

10月18日

 『北國新聞』23面に「丹羽俊夫の教育一本勝負」というコラムが掲載される。「息子の部屋にHビデオ」という相談に答えている。

 

10月23日

 『新文化』に米沢嘉博氏(コミケット準備会代表/マンガ評論家)の「「有害」図書問題の新たな動き」というコラムが掲載される。「子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会」(座長、前田雅英東京都立大学教授)が都に提出した「緊急提言」の問題点を指摘している。

 

10月24日

 『朝日新聞』に「東京都が条例検討 「ブルセラショップ」に罰則」という記事が掲載される。記事によると、東京都は「不健全」図書指定制度を見直し、性描写が一定の割合以上であれば審査を経ずに自動的に「不健全」図書とする、いわゆる「包括指定」の導入などを検討しているという。

 

10月29日

 『朝日新聞』(東京版)に「「不健全図書」規制など検討 都が協議会に諮問」という記事が掲載される。

 

10月31日

1.『都政新報』1面に「都福祉局 都青少年健全育成条例改正で諮問 深夜外出制限や不健全図書類の規制強化 治安提言の具体化で 1定に改正条例を提案」という記事が掲載される。

 

2.『毎日新聞』(埼玉版)に「首都圏4知事対談で上田知事 条例のバラつき弊害指摘 犯罪対策や風俗産業規制 共通化を呼び掛け」という記事が掲載される。記事によると、上田清司・埼玉県知事は、毎日新聞東京本社で29日に開かれた首都圏4都県の知事対談で、「教育関連だろうと防犯だろうと、共通の条例を作ると精度が高くなっていく」として、条例の共通化を呼び掛けたという。この考えに対し、松沢成文・神奈川県知事は「青少年保護育成条例なども自治体によって微妙に違うが、整合性が必要」と賛同したという。

 

11月1日

 『全国書店新聞』3面に「群馬県議会が青少年条例改正の請願採択」という記事が掲載される。

 

11月5日

 『福島民報』23面に「青健条例にネット規制 民間にも協力要請 県の改正案」という記事が掲載される。福島民友』2面にも「健全育成条例の改正について諮問 県が青少年問題協に」という記事が掲載された。

 

11月6日

 『新文化』4面に「万引防止で条例改正を検討 群馬県」という記事が掲載される。

 

11月11日

 『朝日新聞』(夕刊)に「松沢・神奈川県知事 道州制視野13日に提案 「首都圏連合」で環境・治安対応」という記事が掲載される。

【関連報道】

 『毎日新聞』(埼玉版)2003年10月31日付「首都圏4知事対談で上田知事 条例のバラつき弊害指摘 犯罪対策や風俗産業規制 共通化を呼び掛け」

 

11月12日

1.中田宏・横浜市長は市長定例記者会見で、「有害」図書の販売方法について、「一応、ルールはあるが、守られていないし、実効性が挙がっていない」と指摘。「陳列しても構わないが、壁を設ける」などのルールを作るよう首都圏サミットで呼びかけるという。

市長定例記者会見質疑要旨 (平成15年11月12日)

http://www.city.yokohama.jp/se/mayor/interview/2003/031112.html

 

2.『東京新聞』に「横浜市長 有害図書 陳列も禁止 コンビニなど 首都圏会議で提案へ」という記事が掲載される。また、「首都圏連携が加速 神奈川県知事 広域連合を提案 8都県市 あすサミット」という記事によると、上田清司・埼玉県知事は、13日に川崎市で開かれる8都県市首脳会議で「有害」図書規制の罰則や基準の統一を呼びかけるという。

 

3.『読売新聞』(夕刊)に「「少年深夜外出」親に罰則 首都圏サミット 横浜市提案へ」という記事が掲載される。

 

11月13日

1.『神奈川新聞』に「「有害図書」にNO コンビニなど陳列規制を提案へ サミットで横浜市長」という記事が掲載される。『東京新聞』(横浜版)には「「有害図書」陳列禁止 「現条例は有名無実化」 中田市長指摘 実効性あるもの目指す」、『朝日新聞』(横浜版)には「「有害図書の陳列規制強化を」 首都圏会議で市長提案へ」という記事が掲載された。

 

2.『毎日新聞』に「少年の深夜外出 保護者に「罰則」 横浜市長提案へ」という記事が掲載される。『日本経済新聞』にも「青少年深夜外出規制 「保護者に罰則」 横浜市が提案へ 首都圏サミット」という記事が掲載された。

 

3.『新文化』に「東京都 包括指定の検討開始 不健全図書 業界は反対姿勢」という記事が掲載される。

 

11月14日

1.『東京新聞』に「「国動かす」広域連携を 「連合」には温度差 青少年保護で協力 首都圏サミット」という記事や会議の詳細をまとめた「団結して国を動かそう 川崎で8都県市サミット」という記事が掲載される。『朝日新聞』(埼玉版)には「青少年条例共通に 首都圏会議 知事が提案一致」、『日本経済新聞』(埼玉版)には「青少年保護育成条例 統一に向け合意」という記事が掲載された。また『毎日新聞』には「青少年条例を同一化 首都圏8都県市首脳が合意」という記事が掲載され、埼玉版には「青少年健全育成条例共通化 知事、実績積み上げ提案 八都県市首脳会議」という記事も掲載された。

 

2.『東京新聞』(横浜版)に「青少年問題で中田市長提言 「大人の責任明確化を」 『有害図書』『深夜はいかい』で」という記事が掲載される。『読売新聞』(横浜版)には「青少年保護条例強化も合意 提案の市長「親には社会規範教える責務」」、『産経新聞』(神奈川版)には「青少年は夜間外出禁止 横浜市長提案 有害図書販売規制も」、『神奈川新聞』には「少年深夜外出 保護者に罰則 中田市長が提案」という記事が掲載された。

 

3.『読売新聞』(夕刊)に斎藤 環氏(精神科医)の「成人雑誌は「破れ窓」か」というコラムが掲載される。

 

11月18日

1.松沢成文・神奈川県知事は定例記者会見で、13日の首都圏サミットの席上、上田清司・埼玉県知事が提案した青少年条例の共通化について、「一度各都県の条例を突き合わせてですね、どういうものがふさわしいかのということも含めて一度議論ができないかなというふうに思っています」との考えを示した。また、中田 宏・横浜市長が呼びかけた「有害」図書規制の強化については、「表現の自由」との関係で難しい問題はあるとしつつも、「きっちりと壁の仕切りをするなどもう少しさまざまな規制強化をした方がいいんじゃないか」と述べた。

定例記者会見(2003.11.18)結果概要

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/031118.htm

 

2.『都政新報』1面に「8都県市首脳会議 健全育成条例の規制内容を統一 「首都圏連合」に温度差 連携強化では検討会議新設」という記事が掲載される。

 

3.『福島民報』2面に「有害ネット規制への期待」という論説が掲載される。

 

11月19日

 『東京新聞』(横浜版)に「有害図書規制「陳列禁止」 知事、明言を避ける 首都圏サミット 中田市長提案受け」という記事が掲載される。

 

11月20日

 『新文化』に「有害図書"排除"へ検討開始 首都圏サミットで連携 「CVSには置かせない」 「包括指定」規制の統一も」という記事が掲載される。東京都青少年健全育成条例に関する米沢嘉博氏(コミケット準備会代表/マンガ評論家)の「異例のスピードで条例改正か?」というコラムも掲載されている。

 

11月24日

 『朝日新聞』に津田正夫氏(立命館大学教授)の「デジタル化 地域・市民番組に開放を」という意見が掲載される。アメリカやヨーロッパ、韓国などでは、ケーブルや衛星の商用化、デジタル化とともに、市民が製作した番組を放送するパブリック・アクセス・チャンネルが制度化されてきたと指摘。「非営利の市民放送への制度的な支援がない国は日本くらい」であることから、デジタル放送の利用は事業者に限るのではなく、「コミュニティーでの活用や市民・NPO活動などの自由なアクセス」を制度化すべきだと主張している。

【関連情報】

1.『月刊社会教育』2003年12月号の特集「情報を読み解き、発信する」では、津田正夫氏(立命館大学教授)らが、メディア・リテラシーやパブリック・アクセスについて論じている。

 

2.堀部政男氏(中央大学教授)は『アクセス権とは何か マス・メディアと言論の自由』(岩波新書、1978年)で、嫌煙権などは熱意をもって報道されるのに対し、アクセス権についてはほとんど取り上げられない理由を次のように分析している。

マス・メディアは、従来の権利については第三者的立場で報道することができたが、マス・メディアへのアクセス権となると、マス・メディア自身を当事者とする権利、換言すれば、マス・メディアを「被告(人)」席に立たせることになる権利であるので、これを扱えば扱うほど、危険が迫ってくると本能的に感じるのかもしれない。あるいは、このことは、現代フランス言論界の中心人物であるジャン=ルイ・セルバン=ショレベール(Jean-Louis Servan-Schreiber)が、「活字や音声を媒体としたメディアが大衆にほとんど報道しないテーマがあるとすれば、それはメディア自身についてである」と述べていることに通じるのかもしれない。マス・メディアは、この招かれざる客を無視するか、または、敵視さえしようとしている。(73-74頁)

 日本で「非営利の市民放送への制度的な支援」が立ち遅れている原因は、堀部氏の指摘にあるように、マス・メディアがアクセス権を「無視」「敵視」してきたことと関係しているのかもしれない。また、マス・メディアは「有害」規制法案などに反対するさい、規制よりもメディア・リテラシー教育を充実すべきだと主張してきた。メディア・リテラシーとは、「情報を読み解き、発信する」能力である。ところが、マス・メディアは、子どもが悪影響を受けないようにする――といった「読み解く」能力については積極的に言及したものの、「発信する」能力や「制度的な支援」の必要性については、ほとんど報じてこなかった。これも、マス・メディアがアクセス権を「無視」「敵視」してきたことと関係しているのではないだろうか。

 市民のアクセス権を「無視」「敵視」するマス・メディアに、「表現の自由を守れ」「市民の知る権利を守れ」などと主張する資格があるのだろうか? 市民のアクセス権を「無視」「敵視」するマス・メディアを権力が野放しにすることは、間接的な言論統制といえるのではないだろうか?

 

3.アクセス権やパブリック・アクセスについては、以下の文献が詳しい。

(1)堀部政男『アクセス権とは何か マス・メディアと言論の自由』(岩波新書、1978年)

(2)岩田 温「アクセス権 マス・メディアと市民の新しい関係」堀江湛編『情報社会とマスコミ』(有斐閣、1988) 97-122頁

(3)フランシス・J・ベリガン編『アクセス論 その歴史的発生の背景』鶴木眞監訳(慶應通信、1991年)

(4)津田正夫・平塚千尋編『パブリック・アクセス 市民が作るメディア』(リベルタ出版、1998)

(5)菅谷明子『メディア・リテラシー 世界の現場から』(岩波新書、2000年)

(6)津田正夫・平塚千尋編『パブリック・アクセスを学ぶ人のために』(世界思想社、2002)

 

11月26日

1.小寺弘之・群馬県知事は平成15年11月定例会に提出した「群馬県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」について、「青少年の健全育成を図るため、古物商が青少年からの買い受け等を制限されている古物に書籍を含めようとするものであります」と県議会で説明した。改定案は、12月15日の本会議で可決される見通し。

平成15年11月定例県議会 知事提案説明

http://www.pref.gunma.jp/a/04/seisaku/15-11tiji.htm

 

2.『東京新聞』に「有害図書類の販売規制 強化案を先行検討 神奈川県と横浜・川崎市」という記事が掲載される。『朝日新聞』(横浜版)には「青少年育成で連携確認 県・横浜・川崎三首長懇談会 県条例改正も視野」、『読売新聞』(横浜版)には「少年犯罪抑制 条例見直しへ 市長と知事川崎市長 市職員に立ち入り調査権」、『産経新聞』(神奈川版)には「条例改正など検討へ 3首長懇談会 青少年対策で連携」という記事が掲載された。

 

11月27日

1.『新文化』に「「包括指定」に反対 不健全図書 石崎青少年審議会会長が表明」という記事が掲載される。

 

2.『信濃毎日新聞』30面に「有害図書ビデオ 自販機収納疑い 長野の業者書類送り」という記事が掲載される。

 

12月1日

1.『出版ニュース』2003年12月上旬号に長岡義幸氏(インディペンデント記者)の「都青少年条例の包括指定制度新設の動き」という記事が掲載される。

 

2.『全国書店新聞』3面に「東京組合 万引防止キャンペーン ポスター2種・各3千枚作成」や、「ポイント、万引き問題など討議 長野理事会」という記事が掲載される。

 

12月2日

1.『毎日新聞』に「地検が冒陳で「アニメの影響」 山形・母殴殺地裁初公判」という記事が掲載される。

 

2.『都政新報』に山田昌弘・東京学芸大学教育学部助教授の「青少年をとりまく社会状況の変化と健全育成方策 努力すれば報われる道を」という論説が掲載される。

 

12月3日

 『北國新聞』29面に「女子高生ら連れ回した3人書類送検 鶴来署」という記事が掲載される。記事によると、鶴来署は2日、出会い系サイトで知り合った女子高生や無職少女を深夜に連れ回し、女子高生にみだらな行為をしたとして、土木作業員ら3人を石川県青少年健全育成条例違反(深夜の連れ出しとみだらな行為)の容疑で書類送検したという。

 

12月7日

1.『中国新聞』11面に「治安再生 住民とともに 都副知事・竹花豊氏(前広島県警本部長)に聞く」というインタビュー記事が掲載される。竹花副知事は、都青少年健全育成条例の改定について「子どもに読ませるべきではない、と思う有害図書がコンビニエンスストアで簡単に手に入る現実はおかしい。「出版の自由」との問題もあるが、子どもが買えないような方策を考えたい」「大きく変わったといわれるように改正したい」と語っている。

 

2.『東京新聞』に「横浜・中田市長の青少年保護強化策 コンビニ店 有害図書の隔離販売 子供の深夜外出許す保護者に罰則 「業界、家庭は責任持て」 「法律と道徳を混同」」という特集記事が掲載される。

【関連情報】

1.『ジュリスト』第478号(1971年)に掲載された田宮 裕・立教大学教授の「わいせつに関するアメリカ大統領委員会の報告書について(二)」によると、「わいせつとポーノグラフィーに関する大統領の諮問委員会」が1970年にまとめた報告書には、性的表現の自由化と性犯罪の関係ついて次のように記されているという。

 デンマークにおける統計的研究によれば、ポーノグラフィーの自由化に相応して性犯罪はむしろ減少傾向にある。(中略)アメリカでは、事態はそれほど単純ではない。ポーノグラフィーの自由化に伴って、成人の強姦犯人の逮捕数は増大したが、少年犯罪は一般に減少している。たとえば、少年について一九六〇年と一九六九年を比べてみると、性犯罪以外のものは二倍以上にもなったが、性犯罪はわずかではあるが減少した。もっとも、成人の性犯罪については、やや増加の傾向にある。こうして報告書によれば、わいせつ物のはんらんと性犯罪の関係は積極的に論証されもしないし否定されたわけでもない。ただ、世上いわれるような性犯罪の急増という現象は生じていない、というのが結論である。(112-113頁)

 一方、アイゼンクとナイアスは『性・暴力・メディア マスコミの影響力についての真実』岩脇三良訳(新曜社、1982年)で、性的表現の自由化にともなう性犯罪の減少は、「警察も犠牲者も性犯罪に対して以前より寛大になってきたので、みかけ上の下降は単に、許容度の増加と報告の減少を反映しているにすぎない可能性がある」(133頁)と指摘している。さらに、性犯罪報告の減少と態度変化の関係を調べた研究結果などから、「性犯罪統計は、そのような犯罪が通告されるときには、多くの要因が影響を与えうるのであるから、信頼できない。価値ある統計資料からは、一般に暴力犯罪の増加とともに、暴力性犯罪も増加を示し、ポルノ制限の廃止後に、軽性犯罪は減少する傾向が示されている」(137頁)と主張している。

 東京新聞の記事には、宮台真司・東京都立大助教授の「性的表現から遠ざけられると逆に未成年の性犯罪が増えるのは、各国統計で明らか」というコメントがある。性的表現から遠ざけられると未成年の性犯罪が増える、という統計がある場合、それは性表現から隔離されたことで性犯罪が増えたことを意味するのだろうか? それとも警察や被害者の許容度の減少と報告の増加を反映しているのだろうか?

【参考リンク】

検証・宮台真司が広めたメディア悪影響否定論

 

2.アメリカ大統領委員会の報告書については、以下の文献が詳しい。

(1)田宮裕「わいせつに関するアメリカ大統領委員会の報告書について(一)(二)」『ジュリスト』第477号、第478号(1971年)

(2)林宗宏「わいせつとポルノ ―アメリカにおける性表現」『中央公論』第86年第6号(1971年) 209-229頁

(3)H.J.アイゼンク、D.K.B.ナイアス『性・暴力・メディア マスコミの影響力についての真実』岩脇三良訳(新曜社、1982年)

 

12月9日

1.『読売新聞』1面に「書店万引き対策 防犯費用も“損害”請求 都内の組合 来年以降」という記事が掲載される。『東京新聞』(夕刊)には「「本代と損賠も請求」 万引多発 都内書店組合が強化策」、『日本経済新聞』(夕刊)には「都内の書店 少年による万引き 防犯費用も請求へ」という記事が掲載された。

【関連情報】

1.「子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会」(座長、前田雅英東京都立大学教授)が2003年10月3日に東京都ヘ提出した「~緊急提言~子どもを犯罪に巻き込まないための方策」では、子どもの万引き防止対策の1つとして、次のような提言が行われている。

○ 万引きをした子どもの親に対する損害賠償請求も

万引き犯は窃盗目的で店舗に入るのであり、万引きは建造物侵入と窃盗という犯罪である。また、店側には防犯カメラや保安員等の費用がかかっているのであり、万引きをした子どもや保護者に対して相応の損害賠償請求を行うことも検討されるべきである。

子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会

http://www.chijihonbu.metro.tokyo.jp/chian/kodomo/kodomo.htm

 

2.各地の書店組合は書店での万引き増加の原因は青少年が万引きした書籍を新古書店で簡単に現金化できるシステムに問題があると訴えている。こうした動きを受け、12月9日現在、東京都では青少年問題協議会が古物の買取り規制を検討中であり、群馬県では青少年からの古書買い取りについて、親の同意確認を義務づける条例案が県議会に提出されている。

【関連リンク】

青少年条例と古物営業法による買取り規制の主な動き ―規制を求める出版業界―

 

2.『読売新聞』(神奈川版)に「「少年問題対策チーム」設置へ 知事が表明 「非行防止に取り組む」」という記事が掲載される。

 

12月10日

1.『読売新聞』に「ゲーム好き高じ 車盗み事故 「危険運転」15歳を書類送検」という記事が掲載される。

 

2.『東京新聞』(横浜版)に「ネット 内部で意見が対立 市長の深夜外出罰則 反対執行部を市議団批判」という記事が掲載される。

 

12月11日

1.『読売新聞』(横浜版)に「保護者の責務明確に 青少年の深夜外出で罰則 市長、提案の意図説明」という記事が掲載される。『神奈川新聞』には「「罰則盛り込みが狙いではない」 育成条例見直しで「大いなる議論を」」という記事が掲載された。

 

2.『全国書店新聞』に「STOPザ万引きキャンペーン 東京都、警視庁の後援で展開」という記事や、「万引防止協議会に丸岡副理事長派遣 東京組合」という記事が掲載される。

 

3.『毎日新聞』(夕刊)に野島孝一氏の「映倫はだれの味方か」というコラムが掲載される。

 

12月16日

1.『東京新聞』(横浜版)に「条例義務知らない? コンビニの有害図書 1割が『区分なし』」という記事が掲載される。

 

2.『神奈川新聞』に「「背景に拝金主義」 書籍万引シンポ 藤子さんら防止訴え」という記事が掲載される。

 

3.『日刊スポーツ』に「殺人ネットが誘発 中3少年が鉄棒で妹の頭後ろから殴る」という記事が掲載される。『朝日新聞』には「中3が殴打、妹重傷 茨城 殺人未遂容疑で逮捕」、『毎日新聞』には「「殺人サイト見て興味」 中3が鉄棒で妹殴る 殺人未遂容疑 茨城県警逮捕」、『読売新聞』には「中3兄、鉄棒で妹殴る 「ネットの殺人ページ見て殺したくなった」 重傷負わせ逮捕」、『日本経済新聞』には「鉄棒で妹殴る 中3兄を逮捕 茨城「殺人サイト見た」」という記事が掲載された。『東京新聞』には「ネット見て殺したくなった 中3、鉄棒で妹殴る 現行犯で逮捕」という記事が掲載された。

 

12月17日

 『山梨日日新聞』20面に「青少年を取り巻く環境改善呼び掛け 甲府、敷島で推進会議」という記事が掲載される。

 

12月18日

1.『東京新聞』(横浜版)に「「補導」か「引き取りなし」 保護者罰則で見解 中田市長 青少年の深夜外出」という記事が掲載される。

 

2.『北國新聞』5面に「10冊を有害図書に 県青少年健全育成審」という記事が掲載される。

 

3.『朝日新聞』に「都の不健全図書規制強化 マンガ家・学者らが反対」という記事が掲載される。

【関連情報】

1.朝日新聞の津山昭英・東京本社編集局記事審査部長(当時)は、過去に「不健全(有害)」図書の審査などを行う東京都青少年健全育成審議会で委員を務めていた。津山氏が委員であった当時、朝日新聞は2001年1月25日に「有害情報規制 どういう結果を招くか」という社説を掲載している。この社説では、自民党「青少年社会環境対策基本法案」について、「メディアを政府や行政の監視下に置く」、「メディアリテラシーの能力を育てることが大事だ」などと批判している。ところが、2001年3月に改定・強化が予定されていた東京都青少年健全育成条例については一言も触れていない。なお、この時の条例改定では、「不健全(有害)」図書の指定事由に「自殺」や「犯罪」が追加されたほか、区分陳列の義務化などが行われた。

 

2.メディア関係者が政府や自治体の審議会に参加することは、ジャーナリスト倫理に反するという批判がある。例えば、朝日新聞紙面審議会の渡辺正太郎委員は、『朝日新聞』2003年10月10日「変わる政治 深い視点で 朝日新聞紙面審議会 03年度第3回」という記事で次のように述べている。

「既存の体制と距離を置き批判することも新聞社の大きな役割のひとつである。例えば、政府の審議会に新聞社が入って政策提言に参画すると、自らそれに縛られ、政府の先棒を担ぐ結果になる。慎重な対応が必要だ」

 この意見に対し、吉田慎一・東京本社編集局長は「政府の審議会への記者の参加について、朝日新聞は、抑制的に考えるのを原則にしている。参加要請があった場合は、数人の委員会で参加が適当かどうか検討して判断している。場合によっては報道の公平・公正、不偏不党の根幹にかかわりかねないからだ」と答えている(なお、この時の紙面審議会の司会は津山昭英・編集担当補佐だったという)。

 津山氏は「有害情報規制」を扱う東京都青少年健全育成審議会の委員であったが、朝日新聞の委員会はどういう議論をへて「参加が適当」と判断したのだろうか。また、「報道の公平・公正、不偏不党」を重視するのであれば、委員ではなく、あくまでも取材者の立場で審議会にかかわるべきではないだろうか。

 メディア関係者が審議会に参加することは、メディアが「政府の先棒を担ぐ」以外にも、様々な弊害が考えられる。メディアに依存する記者や文化人、さらにはメディアを敵に回したくない人々が審議会問題について書けるのだろうか? メディア関係者の審議会参加は「報道の公平・公正、不偏不党」という枠を越えて、市民の「知る権利」を脅かしている可能性がある。

 

3.朝日新聞の紙面審議会は、審議会参加についてこれまで何度か議論している。これを受け、朝日新聞は1993年に「今のところ、個別にその審議会の目的、性格、運営の実態、状況を考えながら、参加すべきかどうかを判断しています。この日の論議も踏まえて、さらに手続き、ルールなどを詰めていくことにしています」(『朝日新聞』1993年4月18日「政府審議会への社員参加 是非めぐり再び論議」)という方針を示している。

 津山氏は「有害情報規制」を扱う東京都青少年健全育成審議会の委員であったが、朝日新聞では、東京都青少年健全育成審議会の「目的、性格、運営の実態、状況」について、どのように考えていたのだろうか。

 

4.メディア関係者が政府の各種審議会にどれだけ参加しているかは、総務省行政管理局編『審議会総覧』で確認することができる(ただし、地方自治体の審議会等については掲載されていない)。なお、審議会への記者参加を「抑制的に考えるのを原則にしている」はずの朝日新聞でさえ、1人で複数の審議会を掛け持ちしているケースがある(参考資料:平成10年度版『審議会総覧』)。

 

5.メディアと審議会の関係については、以下の文献が詳しい。

(1)天野勝文「「取り込まれる」ジャーナリスト」『総合ジャーナリズム研究』第128号(1989年) 46-52頁

(2)天野勝文「「取り込まれる」マスコミ人 =全国版=」『総合ジャーナリズム研究』第144号(1993年) 72-79頁

(3)天野勝文「政府審議会は記者のウバ捨て山か 記者クラブ同様これも一つの癒着ではないか」『文芸春秋』1993年11月号 296-303頁

(4)天野勝文「新聞人の各種審議会への参加について」新聞労連編『新聞記者を考える』(晩聲社、1994年) 187-211頁

 

12月19日

1.Yahoo!ニュースに「有害図書自販機の状況、より知ってもらおう--甲府でセミナー /山梨」という記事が掲載される。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031219-00000005-mai-l19

 

2.『毎日新聞』に「映像の安全性評価を研究」という記事が掲載される。この他、「横浜市営地下鉄の全席優先化 行政のマナー規制は嫌だ」では、渡辺 創記者が、中田 宏・横浜市長の提案した青少年の深夜外出規制などについて論じている。

 

3.『東京新聞』に「本にもタグ、万引するとブー 自衛する本屋さん」という記事が掲載される。

 

12月21日

 『全国書店新聞』に「実効性ある条例検討 シンポジウムで中田横浜市長 万引き対策」という記事が掲載される。

 

12月23日

 『東京新聞』に「成人向け図書『販売はビニール包装で』 都青少年条例の答申原案 自販機購入も「免許証必要」」という記事が掲載される。記事によると、22日に明らかになった都青少年問題協議会の答申案では、出版業者に対し、成人向け図書をビニール包装するよう求めているほか、販売店に対しては、包装されていない成人向け図書の販売自粛を求めているという。また、審議会に常設の小委員会を設け、「有害」図書が見つかるたびに指定できるよう個別指定制度を迅速化することも盛り込まれているという。

【関連情報】

1.他の道府県が導入している包括指定では、「卑わいな姿態等」を被写体とした写真または描写した絵が一定の分量に達していた場合、自動的に「有害」図書とみなされる。

 これに対し、個別指定では、1点1点審議会で審査を行うものの、性表現に限らず、暴力や犯罪、さらには自殺に関する表現なども「有害」指定することができる。さらに個別指定では、写真や絵だけでなく、文章表現も「有害」指定の対象となる。実際、秋田県は2003年10月に包括指定を導入しているが、「有害」規制監視隊の意見に対し、「包括指定の基準に至らない図書類については、従来どおり「個別指定」により行う」と回答している。つまり、個別指定は包括指定と比較してより厳しい規制を行うことが可能なのである。

 『新文化』2003年11月27日付「「包括指定」に反対 不健全図書 石崎青少年審議会会長が表明」という記事によると、都青少年問題協議会専門部会では、包括指定の導入に反対し、個別指定と自主規制を強化すべきだという意見が出ていたという。答申案に包括指定が盛り込まれた場合、条例がどのようになった(る)かは不明である。ただ、他の道府県並の包括指定であれば、個別指定の強化よりも「謙抑的」といえるのではないだろうか。なお、東京都の個別指定は出版業界の自主規制と連動していることにも注意が必要である。

 

2.出版界の業界団体・出版倫理協議会(日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会の4団体で構成)には、東京都の「不健全」図書指定を連続3回または1年で5回受けた雑誌に対し、次の号から「18歳未満の方々には販売できません」という帯紙をつけるよう通知する自主規制(帯紙措置)がある。帯紙をつけない雑誌は取次で扱われず、たとえ帯紙がついていても書店から注文がない限り送品されない。この帯紙措置を適用されると、「流通部数が極端に減ってしまうために、休刊(実質的な廃刊)を余儀なくされてしまうのが通例」(長岡義幸「東京都「不健全」図書指定に宝島社の反撃」『創』2001年1-2月号 115頁)だという。

 したがって、東京都の個別指定が強化されれば、3回連続または1年で5回「不健全」指定を受け、「休刊(実質的な廃刊)」となる雑誌が増える可能性がある。

 

3.宝島社の雑誌『DOS/V USER』と『遊ぶインターネット』は2000年9月~11月にかけて、東京都で連続3回「不健全」指定を受け、出版業界の取り決めにより書店・コンビニでの販売が不可能となった。

 宝島社は、東京都を相手取り、「不健全」指定の取消請求訴訟を行ってきたが、東京地方裁判所は2003年9月25日、請求を棄却した。この判決に対し、同社は10月7日に東京高等裁判所に控訴する一方、都の認定基準や指定プロセスの恣意性を立証するためだとして、「不健全」図書指定を受けた人や会社から、証言・証拠などを募集している。情報は、宝島社「不健全図書指定処分取り消し請求訴訟」のページから送信する。なお、地裁で下された判決なども同ホームページで公開されている。

不健全図書指定処分取り消し請求訴訟

http://www.takarajimasha.co.jp/no/

【関連リンク】

宝島社裁判と帯紙措置

出版倫理協議会による流通規制

 

12月25日

1.『福島民報』22面に「発信業者に努力規定 ネット上の有害情報制限 条例一部改正で最終答申 県青少年問題協議会」という記事が掲載される。『福島民友』2面には「性行為違反の罰則強化 県青少年健全育成条例 協議会が改正案答申」という記事が掲載された。

 

2.『北國新聞』5面に「出会い系サイト、有害図書… 「性の環境好ましくない」 性教育調査で父母の9割以上」という記事が掲載される。

 

3.『新文化』に「不健全図書 包括指定を見送り 答申案に盛込まず 東京都青少年問題協議会」という記事が掲載される。

 

12月27日

 毎日新聞ホームページに「有害図書販売に懲役刑--県青少年育成条例改正素案、2月議会に提出へ」という記事が掲載される。

有害図書販売に懲役刑--県青少年育成条例改正素案、2月議会に提出へ

http://www.mainichi.co.jp/area/fukushima/news/20031227k0000c007003000c.html

 

2004年前半


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